ピヨちゃんは、夜が更けるとどんなに楽しい話をしていても、すぐに「ふわぁ~」とあくびをして、うとうとと寝てしまいます。
ヒヨコくんが「おーい、ピヨちゃん、寝ちゃダメだピヨ!」と肩を軽くつついても、「うん…あとちょっとだけ…ピヨ…」と眠そうに目を閉じてしまいます。
ぴもんくんは「お菓子をあげれば起きるかもピヨ!」と思い、ピヨちゃんの目の前にフィッシュアーモンドを差し出しました。
でもピヨちゃんは、甘い匂いがするのに目を開ける気配もなく、夢の中へ戻ってしまいました。
ひよたくんは、少し考えてから「じゃあ、みんなで面白い話をしてみるのはどうかなピヨ?」と提案します。
そこで、三兄弟で順番に面白いエピソードを話し始めました。
ヒヨコくんは「この前、ぼくが公園でコケた話、聞くピヨ!」と元気に話し、ぴもんくんは「フィッシュアーモンドを3袋一気に食べたら、お腹いっぱいになりすぎたんだピヨ!」と大笑い。
でも、どれもピヨちゃんにはあまり効果がなく、やっぱり夢の中です。
困り果てた三兄弟、最後の手段として、ピヨちゃんの好きなコーヒーの香りを漂わせてみることにしました。
ひよたくんが小さなコーヒーキャンドルを灯して、そっとピヨちゃんの近くに置くと、ふわっとした香りが漂います。
すると、ピヨちゃんの鼻がぴくっと動き、ようやく目が開きました!
「…ん?コーヒーの香り…ピヨ?」と、ピヨちゃんはゆっくり目を覚ましました。
「みんな、ありがとうピヨ。もうちょっとだけ起きて一緒に楽しむピヨ!」と、眠気を少し振り払ったピヨちゃんは、三兄弟とまた楽しく話し始めました。
でも、それも束の間。しばらくすると、またピヨちゃんはふわぁ~と大きなあくびをして、今度こそ本格的に眠ってしまいました。
あくびのイラスト
三兄弟はお互いに顔を見合わせ、「まぁ、ピヨちゃんらしいピヨね」と、微笑みながらピヨちゃんの寝顔を見守りました。
こうして、ピヨちゃんは夢の中で三兄弟の声を聞きながら、ぐっすりと眠り続けたのでした。