[ひよこものがたり]第32話 「ぴもんくんの特製ランチピヨ!」

ひよこものがたり

ある晴れた日のこと。ヒヨコ三兄弟はみんなで家にいました。

「今日はお昼ごはんどうするピヨ?」とヒヨコくんが聞くと、ぴもんくんがピョンと立ち上がりました。

「今日はボクが作るピヨ!ボクに任せるピヨ!」

珍しくやる気満々のぴもんくんに、ヒヨコくんとひよたくんは驚きました。

「えっ、ぴもんくんが?食べる専門じゃないピヨ?」

「失礼なこと言うピヨ!今日のボクはひと味違うピヨ!」

張り切ったぴもんくんは、早速キッチンに向かいます。

「ボクにしかできない特製ランチを作るピヨ!フィッシュアーモンドを使って世界一おいしいごはんを作るピヨ!」

まずは食パンを取り出し、その上にフィッシュアーモンドを山盛りに乗せ、もう一枚食パンを載せます。

「うーん、これだけじゃ物足りないピヨ…あ!目玉焼きも乗せるピヨ!」

でも、卵を割ろうとしてフライパンの外にボタッ。

「ああっ!なんで落ちるピヨ!?卵は空を飛ばないピヨ!」

その声に、リビングで待っていたヒヨコくんが「大丈夫ピヨか?」と心配そうに声をかけます。

「大丈夫ピヨ!予定通りピヨ!」と答えるぴもんくん。

しかしキッチンからはガチャガチャと何かを落とす音や、謎の湯気が立ち上っています。

次にサラダを作るため、冷蔵庫から野菜を取り出します。

「サラダにはカリカリのフィッシュアーモンドを混ぜるピヨ!これがボクの秘密兵器ピヨ!」

でも、フィッシュアーモンドをフライパンで焼いているうちに、あまりのいい香りに我慢できなくなり、思わずパクッ!

「ああっ!ボクのフィッシュアーモンドが減っていくピヨ!」

それでも気を取り直し、少しずつサラダに追加。

「いい感じピヨね…でも…あれ、なんか焦げた匂いがするピヨ…?」

振り向くと、フライパンからもくもくと煙が!

「ピヨ〜!!!火事ピヨー!」

ひよたくんが慌ててキッチンに駆け込み、「火を消すピヨ!」と水をかけて何とかセーフ。

何とかキッチンの騒動を乗り越え、ついにぴもんくんの特製ランチが完成!

メインはフィッシュアーモンドサンド、カリカリに焼いたフィッシュアーモンドのサラダ、そして謎の「特製スープ」。

「できたピヨー!みんな食べるピヨー!」

三兄弟はダイニングテーブルに座り、ぴもんくんが運んできたお皿を見て少し不安そうな顔をします。

「…なんか、香りはいいピヨ?」

「でも、このスープの色、何かおかしいピヨよ…?」

ヒヨコくんとひよたくんがそっとサラダを一口食べてみると…

「えっ、これ、意外と美味しいピヨ!」

「ほんとピヨ!このカリカリ感が絶妙ピヨ!」

ぴもんくんはドヤ顔で「当たり前ピヨ!ボクのフィッシュアーモンドに不可能はないピヨ!」

お皿はどれもすぐに空っぽになり、三兄弟は大満足。

「ぴもんくん、次もお願いするピヨ!」

「よーし、もっと腕を上げるピヨ!」

こうしてぴもんくんの特製ランチは大成功。

料理を作るのも楽しいと気づいたぴもんくんは、また挑戦することを決意しました。

しかしその夜、お菓子棚のフィッシュアーモンドがすっからかんになっていたことに気づいたひよたくんが、こっそり言いました。

「ぴもんくん…次はちょっとフィッシュアーモンド控えめにするピヨね…」

おしまい

※タイトルのイラストには、キッチンで調理をするぴもんくんが描かれています。まな板の上にお魚を置いて、包丁でさばこうとしています。その横には大きなフィッシュアーモンドがたくさんあります。

あと、お魚が大きすぎるのはご愛嬌🐤

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