ある晴れた日のこと。ヒヨコ三兄弟はみんなで家にいました。
「今日はお昼ごはんどうするピヨ?」とヒヨコくんが聞くと、ぴもんくんがピョンと立ち上がりました。
「今日はボクが作るピヨ!ボクに任せるピヨ!」
珍しくやる気満々のぴもんくんに、ヒヨコくんとひよたくんは驚きました。
「えっ、ぴもんくんが?食べる専門じゃないピヨ?」
「失礼なこと言うピヨ!今日のボクはひと味違うピヨ!」
張り切ったぴもんくんは、早速キッチンに向かいます。
「ボクにしかできない特製ランチを作るピヨ!フィッシュアーモンドを使って世界一おいしいごはんを作るピヨ!」
まずは食パンを取り出し、その上にフィッシュアーモンドを山盛りに乗せ、もう一枚食パンを載せます。
「うーん、これだけじゃ物足りないピヨ…あ!目玉焼きも乗せるピヨ!」
でも、卵を割ろうとしてフライパンの外にボタッ。
「ああっ!なんで落ちるピヨ!?卵は空を飛ばないピヨ!」
その声に、リビングで待っていたヒヨコくんが「大丈夫ピヨか?」と心配そうに声をかけます。
「大丈夫ピヨ!予定通りピヨ!」と答えるぴもんくん。
しかしキッチンからはガチャガチャと何かを落とす音や、謎の湯気が立ち上っています。
次にサラダを作るため、冷蔵庫から野菜を取り出します。
「サラダにはカリカリのフィッシュアーモンドを混ぜるピヨ!これがボクの秘密兵器ピヨ!」
でも、フィッシュアーモンドをフライパンで焼いているうちに、あまりのいい香りに我慢できなくなり、思わずパクッ!
「ああっ!ボクのフィッシュアーモンドが減っていくピヨ!」
それでも気を取り直し、少しずつサラダに追加。
「いい感じピヨね…でも…あれ、なんか焦げた匂いがするピヨ…?」
振り向くと、フライパンからもくもくと煙が!
「ピヨ〜!!!火事ピヨー!」
ひよたくんが慌ててキッチンに駆け込み、「火を消すピヨ!」と水をかけて何とかセーフ。
何とかキッチンの騒動を乗り越え、ついにぴもんくんの特製ランチが完成!
メインはフィッシュアーモンドサンド、カリカリに焼いたフィッシュアーモンドのサラダ、そして謎の「特製スープ」。
「できたピヨー!みんな食べるピヨー!」
三兄弟はダイニングテーブルに座り、ぴもんくんが運んできたお皿を見て少し不安そうな顔をします。
「…なんか、香りはいいピヨ?」
「でも、このスープの色、何かおかしいピヨよ…?」
ヒヨコくんとひよたくんがそっとサラダを一口食べてみると…
「えっ、これ、意外と美味しいピヨ!」
「ほんとピヨ!このカリカリ感が絶妙ピヨ!」
ぴもんくんはドヤ顔で「当たり前ピヨ!ボクのフィッシュアーモンドに不可能はないピヨ!」
お皿はどれもすぐに空っぽになり、三兄弟は大満足。
「ぴもんくん、次もお願いするピヨ!」
「よーし、もっと腕を上げるピヨ!」
こうしてぴもんくんの特製ランチは大成功。
料理を作るのも楽しいと気づいたぴもんくんは、また挑戦することを決意しました。
しかしその夜、お菓子棚のフィッシュアーモンドがすっからかんになっていたことに気づいたひよたくんが、こっそり言いました。
「ぴもんくん…次はちょっとフィッシュアーモンド控えめにするピヨね…」
おしまい
※タイトルのイラストには、キッチンで調理をするぴもんくんが描かれています。まな板の上にお魚を置いて、包丁でさばこうとしています。その横には大きなフィッシュアーモンドがたくさんあります。
あと、お魚が大きすぎるのはご愛嬌🐤