[ひよこものがたり]第60話「ヒヨコ三兄弟のあったかクリスマスピヨ!」

ひよこものがたり

その年の冬、アニマルランドにも白い雪がふわふわと降り積もっていました。

ヒヨコ三兄弟――ヒヨコくん、ぴもんくん、ひよたくんは、初めて家族そろって迎えるクリスマスを、今か今かと楽しみにしていました。

普段は海外を飛び回るビジネスマンのヒヨコパパ。

なかなか家にいられないことが多かったけれど、今年は少し長いお休みを取って、家族みんなと一緒に過ごすと決めていたのです。

クリスマスイブの朝、

「ボク、ツリーを飾りつけるピヨ!」とパタパタ張り切るヒヨコくん。

ぴもんくんは、テーブルの上にクッキーやフィッシュアーモンドを並べて、味見ばかり。

「まだ食べちゃダメピヨ!」と、ひよたくんがピシッと注意します。

ヒヨコママは温かいシチューをコトコト煮込みながら、笑顔でみんなの様子を見守ります。

「あなたたち、今日は特別な日だから、仲良く協力するのよ」

イラストの説明ピヨ!ヒヨコくんはツリーの飾り付け、ぴもんくんはクッキーをを持って、ひよたくんは、うーん、何かを持っているピヨ?

ヒヨコパパは少し不器用にツリーのてっぺんに星を取り付けようとして、ぐらぐらと脚立の上でバランスを崩しました。

「パパ、気をつけて!」と三兄弟が一斉に声を上げます。

「ははは、ちょっとドジをしちゃったな」

その姿に家族みんながくすくす笑いました。

夕方になって、外は雪がしんしんと降り積もっていきました。

テーブルの上にはシチュー、焼き立てのパン、クッキー、ぴもんくんのフィッシュアーモンド。おいしい匂いが家じゅうに広がります。

ところが――。

ヒヨコくんとぴもんくんが、余ったクッキーをめぐって言い争いを始めてしまいました。

「それはボクが飾り用に取っておいたピヨ!」

「いや、ボクが一番に見つけたピヨ!」

二人の声がどんどん大きくなり、ひよたくんは「ケンカはやめてピヨ!」と涙目になりました。

ヒヨコママが「二人とも、今日は特別な夜でしょう?」と諭しますが、怒りで頑固になった二羽はなかなか譲りません。

そのとき――。

ヒヨコパパが静かに立ち上がりました。

「ヒヨコくん、ぴもんくん、クッキーなんて、一つの小さなお菓子だ。でも、こうして家族みんなで一緒に過ごせる時間は、何よりも大きな宝物なんだよ」

いつもは遠い国へ仕事に出かけ、なかなか子どもたちのそばにいられなかったヒヨコパパ。

「本当は、みんなの成長を毎日近くで見たかった。だけど、今日はその分を取り返したい。だから、どうか今だけは、ケンカはせずに笑っていてほしいな」

その言葉に、三兄弟ははっとしました。

ヒヨコくんとぴもんくんは顔を見合わせ、しばらく黙っていましたが、やがて二羽同時に「ごめんピヨ」と謝りました。

ひよたくんは「ボク、パパの気持ちわかるピヨ。だから、これからもずっと一緒にいようピヨ」と、涙をこぼしながら言いました。

その瞬間、窓の外で雪がひときわ明るく輝きました。

まるで家族の絆を祝福するかのように、月明かりが雪に反射してきらめいたのです。

ヒヨコママが優しく笑って言いました。

「ほら、神さまもサンタさんも、私たちの仲直りを喜んでいるわ」

三兄弟は小さな翼を広げて、パパとママにぎゅっと抱きつきました。

そのぬくもりは、外の寒さなんて忘れてしまうほど温かくて、心に深く染み込みました。

食卓を囲み、笑い声とおいしいごちそうでお腹も心も満たされた後。

ヒヨコパパはみんなの前で約束しました。

「来年も、再来年も、できるだけ家族と一緒にクリスマスを過ごせるようにする。

それがパパの一番の願いだ」

ヒヨコ三兄弟は声をそろえて言いました。

「ボクたちも、ずっと仲良くするピヨ!」

その夜、家族みんなが布団に入るころ、ヒヨコパパは小さな寝息を立てる三兄弟の顔を眺めながら、胸がいっぱいになりました。

――離れていた時間もあったけれど、家族の絆は決して途切れていない。

むしろ、こうして寄り添うことで、もっと強く結ばれている。

外では静かに雪が降り続き、アニマルランドの夜空に光る星は、いつまでも家族を照らしていました。

イラストの説明ピヨ。パパママとヒヨコ三兄弟がぎゅーっとくっついてるピヨ!外は雪ピヨ、夜ピヨ、お月さまキラキラピヨ!お部屋にはクリスマスツリーピヨ、星ピカピカピヨ!テーブルにパイとマグカップあるピヨ!みんなで楽しくあったかピヨピヨ〜!

✨おわり✨

タイトルとURLをコピーしました