[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第43話ムゲンの原石 🌼

ある朝のこと。

ヒヨコくんたちは、ベルちゃんのカフェであたたかいお茶を飲んでいました。

窓の外からやわらかな光が差し込み、カップからはふんわり湯気がのぼっています。

けれど――ヒヨコくんの顔は、少しだけくもっていました。

「ねぇベルちゃん……」

小さな声で、ぽつりとつぶやきます。

「“人には無限の可能性がある”って……ほんとにそうなのピヨ?」

ベルちゃんはその声に気づいて、そっとカップを置きました。

そして、ヒヨコくんの目をやさしく見つめます。

「どうしたの?」

ヒヨコくんは、少しだけうつむいて言いました。

「ボク……なんだか、自分にはすごいことなんてできない気がして……」

その言葉に、ぴもんくんの手も止まります。

ひよたくんも、静かに耳をすませました。

ベルちゃんは、ふわっと微笑みます。

「そう思うとき、あるよね。」

そして、ゆっくりと言いました。

「“無限の可能性”っていうのはね――

誰の中にも、“まだ気づいていない光”があるってことなの。」

「まだ……気づいてない光?」

「ええ。今は小さくて、自分でも見えないくらいかもしれない。

でもね、それはちゃんとそこにあるのよ。」

ぴもんくんが、少しだけ元気を取り戻したように言いました。

「じゃあボクの中にもあるピヨ?

おいしいものを見つける才能とかピヨ?」

ベルちゃんはくすっと笑って、うなずきます。

「もちろん。それだって立派な光よ。」

ひよたくんは、じっと自分の手を見つめながら言いました。

「ボク……まだ何ができるか分からないピヨ。

でも……ちょっとだけ、探してみたい気がするピヨ。」

その言葉に、ヒヨコくんが顔を上げます。

さっきまで曇っていた目が、少しだけキラリとしました。

「ボクも……探してみるピヨ。」

ベルちゃんは、やさしく言います。

「それでいいの。

原石はね、“信じたとき”から、少しずつ光りはじめるのよ。」

帰り道。

空は、やさしい夕焼け色に染まっていました。

オレンジの光が、三羽の体をふんわり包みます。

ヒヨコくんは、空を見上げながらつぶやきました。

「さっきより……なんだか、あったかい気がするピヨ。」

ぴもんくんも、おなかをさすりながら笑います。

「ボクのおなかの中の原石も、ちょっと光ってきた気がするピヨ〜!」

「それは食べすぎピヨ!」

思わずツッコミながら、ヒヨコくんも笑いました。

ひよたくんは、そんな二人を見て、やさしく微笑みます。

三羽の笑い声は、夕焼けの空にすーっと溶けていきました。

そしてその胸の中には――

まだ小さいけれど、たしかに“あたたかな光”が灯っていました。

📝 ことばのおくりもの

「自分には何もない」と感じるときほど、

本当は“まだ気づいていないもの”が、そっと眠っています。

大きな才能じゃなくていい。

小さな「好き」や「やってみたい」が、その原石です。

不安になってもいい。迷ってもいい。

それでも、「あるかもしれない」と思えたその瞬間から、

あなたの中の光は、静かに輝きはじめています。

あなたの中にも、まだ見ぬ光が、ちゃんとあります。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

カフェでヒヨコくんたちとベルちゃんが、あったかいお茶をのみながらニコニコおはなししてるピヨ〜☕️🐤🐰

ムゲンの原石のきらきらが、みんなのこころにひかってるピヨ✨

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