ある朝のこと。
ヒヨコくんたちは、ベルちゃんのカフェであたたかいお茶を飲んでいました。
窓の外からやわらかな光が差し込み、カップからはふんわり湯気がのぼっています。
けれど――ヒヨコくんの顔は、少しだけくもっていました。
「ねぇベルちゃん……」
小さな声で、ぽつりとつぶやきます。
「“人には無限の可能性がある”って……ほんとにそうなのピヨ?」
ベルちゃんはその声に気づいて、そっとカップを置きました。
そして、ヒヨコくんの目をやさしく見つめます。
「どうしたの?」
ヒヨコくんは、少しだけうつむいて言いました。
「ボク……なんだか、自分にはすごいことなんてできない気がして……」
その言葉に、ぴもんくんの手も止まります。
ひよたくんも、静かに耳をすませました。
ベルちゃんは、ふわっと微笑みます。
「そう思うとき、あるよね。」
そして、ゆっくりと言いました。
「“無限の可能性”っていうのはね――
誰の中にも、“まだ気づいていない光”があるってことなの。」
「まだ……気づいてない光?」
「ええ。今は小さくて、自分でも見えないくらいかもしれない。
でもね、それはちゃんとそこにあるのよ。」
ぴもんくんが、少しだけ元気を取り戻したように言いました。
「じゃあボクの中にもあるピヨ?
おいしいものを見つける才能とかピヨ?」
ベルちゃんはくすっと笑って、うなずきます。
「もちろん。それだって立派な光よ。」
ひよたくんは、じっと自分の手を見つめながら言いました。
「ボク……まだ何ができるか分からないピヨ。
でも……ちょっとだけ、探してみたい気がするピヨ。」
その言葉に、ヒヨコくんが顔を上げます。
さっきまで曇っていた目が、少しだけキラリとしました。
「ボクも……探してみるピヨ。」
ベルちゃんは、やさしく言います。
「それでいいの。
原石はね、“信じたとき”から、少しずつ光りはじめるのよ。」
帰り道。
空は、やさしい夕焼け色に染まっていました。
オレンジの光が、三羽の体をふんわり包みます。
ヒヨコくんは、空を見上げながらつぶやきました。
「さっきより……なんだか、あったかい気がするピヨ。」
ぴもんくんも、おなかをさすりながら笑います。
「ボクのおなかの中の原石も、ちょっと光ってきた気がするピヨ〜!」
「それは食べすぎピヨ!」
思わずツッコミながら、ヒヨコくんも笑いました。
ひよたくんは、そんな二人を見て、やさしく微笑みます。
三羽の笑い声は、夕焼けの空にすーっと溶けていきました。
そしてその胸の中には――
まだ小さいけれど、たしかに“あたたかな光”が灯っていました。
📝 ことばのおくりもの
「自分には何もない」と感じるときほど、
本当は“まだ気づいていないもの”が、そっと眠っています。
大きな才能じゃなくていい。
小さな「好き」や「やってみたい」が、その原石です。
不安になってもいい。迷ってもいい。
それでも、「あるかもしれない」と思えたその瞬間から、
あなたの中の光は、静かに輝きはじめています。
あなたの中にも、まだ見ぬ光が、ちゃんとあります。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
カフェでヒヨコくんたちとベルちゃんが、あったかいお茶をのみながらニコニコおはなししてるピヨ〜☕️🐤🐰
ムゲンの原石のきらきらが、みんなのこころにひかってるピヨ✨

Comments are closed