ある日の午後、
ぴもんくんは浜辺でお気に入りのフィッシュアーモンドをぽりぽり食べていました。
すると、そよ風といっしょに ふわり と現れたのは、
見たことのない、とっても可愛いヒヨコの女の子。
その子は海辺で落ちていた貝がらを拾い、宝物みたいに胸に抱えながら
ふんわり笑いました。
その笑顔を見た瞬間ーー
ぴもんくんの胸は ドキーン! と跳ねました。
「……な、なんだピヨ……
ボク、いま……どうしちゃったピヨ……?」
それはまさしく 一目惚れ ピヨ。
⸻
◉ 夜も眠れないぴもんくん
その日からぴもんくんはずっとその子のことを考えてしまって、
夜も眠れないし、
大好きなフィッシュアーモンドを目の前にしても食べられません。
「おかしいピヨ……ボクがたべものを食べられないなんて……!」
その様子を見たヒヨコくんとひよたくんは大慌て。
「こりゃただごとじゃないピヨ!」
「ぴもんくん、どうしたのピヨ?」
ぴもんくんが恥ずかしそうに恋の悩みを話すと、
二人は顔を見合わせて キラーン!
「よーし! ボクたちが愛のキューピッドになるピヨ!」
「ぴもんくんを幸せにする作戦、開始ピヨ!」

⸻
◉ ヒヨコ兄弟の作戦会議
三兄弟は浜辺の小さな岩の上に集まって作戦会議。
「まずは笑顔であいさつピヨ!」
「つぎはお話を聞いてあげるピヨ!」
「最後に勇気を出して気持ちを伝えるピヨ!」
ひよたくんはぴもんくんの羽をそっとなでながら言いました。
「ぴもんくん、大丈夫ピヨ。
ボクたちがついてるピヨ。」
ヒヨコくんも胸を叩きます。
「当たり前ピヨ! ぴもんくんの恋、ぜったいに応援するピヨ!」
ぴもんくんは少し涙ぐんで、
「……ありがとうピヨ。
ボク、会いに行ってみるピヨ。」
と、ゆっくり立ち上がりました。

⸻
◉ いざ、運命の場所へ
海辺の小道をドキドキしながら歩くぴもんくん。
その子は今日も貝がらを拾って、
海のきらめきを見つめていました。
「……あ、あのピヨ!」
ぴもんくんが声をふりしぼろうとした、その瞬間。
女の子の隣に
すらっとした男の子ヒヨコ がやってきて、
にこっと笑いながら話しかけました。
女の子は自然にその隣へ寄り添い、楽しそうに話しています。
(……あ……)
ぴもんくんは一瞬にして悟ってしまいました。
――この子には、もう大切な相手がいるんだピヨ……
胸がぎゅっと痛くなり、
ぴもんくんは静かにその場を離れました。

⸻
◉ ショックで帰ってきたぴもんくん
お家に戻ったぴもんくんは
ぽすんと座り込み、しょんぼり。
そこへ、急いで帰ってきた
ヒヨコくんとひよたくん。
「ぴもんくん!どうだったピヨ?」
「うまくいったピヨ?」
ぴもんくんは小さく首をふり、
「……その子、ボーイフレンドがいたピヨ……
ボク、なんにも言えなかったピヨ……」
と、ぽろりと涙を落としました。
⸻
◉ 兄弟のやさしい慰め
ひよたくんはそっと隣に座り、
小さな羽でぴもんくんの背中をトントン。
「ぴもんくん、つらかったピヨね。」
「でも、会いに行った勇気……すごく素敵ピヨ。」
ヒヨコくんも真剣な顔で言いました。
「恋はうまくいかないときもあるピヨ。
でもね、ぴもんくんの優しさとまっすぐさは、
きっといつか誰かをしあわせにするピヨ。」
そして三人はぎゅっと羽を重ねました。
あたたかくて、少し涙の味がして、
でも確かに胸にしみる時間。
ぴもんくんは鼻をすんすんしながら、
「……ボク、ふたりがいてくれてよかったピヨ……」
と、やっと笑顔を見せました。
⸻
◉ そして、また歩き出す
その日からぴもんくんは少しずつ元気を取り戻し、
またフィッシュアーモンドを
ぽりぽり食べられるようになりました。
恋は実らなかったけれど、
ぴもんくんの中には新しい気持ちが育っていました。
——またいつか、素敵な恋をしようピヨ。
そのときは、兄弟みんなで笑い合おうピヨ。
そんな未来を信じながら、
三兄弟のゆるやかであたたかい日々は、今日も続いていきます。
※タイトルのイラストの説明。
浜辺で、ぴもんくんが胸をおさえて
うっとりドキドキしてるピヨ。
まんまるおめめに恋がきらきら映って、
ほっぺはほんのりピンク色ピヨ。
これは、ぴもんくんのはじまりの恋の一枚ピヨ💛🌊

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