ある日のこと。
ヒヨコ三兄弟は、ベルちゃんのカフェに集まっていました。
「いらっしゃい♪ 今日のおすすめはイチゴケーキよ」
ベルちゃんがにこにこしながら運んできます。
「わーいピヨ!」
ぴもんくんは、目をきらきらさせて大はしゃぎ。
ところがそのとき——
つるっ!
ぴもんくんは足をすべらせて、どてんっ!としりもちをついてしまいました。
ケーキはぐしゃっ……。
一瞬、空気がしんと静まりかえります。
ヒヨコくんは心配そうに言いました。
「だ、大丈夫ピヨ…?」
ひよたくんも、どう声をかけたらいいか迷っています。
そのとき——
ぴもんくんは、ちょっとだけ顔をしかめたあと、
ふにゃっと笑って言いました。
「えへへ……ケーキより先に、ぼくがつぶれちゃったピヨ〜」
そのひとことに、
みんなの緊張がふっとほどけました。
「もう、ぴもんくんったら!」
ベルちゃんもくすっと笑います。
「それじゃあ、“ぺちゃんこケーキセット”に変更ピヨ?」
ヒヨコくんが冗談を言うと、
「それ新メニューにするピヨ!」
ぴもんくんも笑いながら返しました。
ひよたくんも、安心したようにくすっと笑います。
「…でも、次はちゃんと座って食べようね」
カフェの中には、やさしい笑い声が広がりました。
少し前までの“気まずさ”は、もうどこにもありません。
ぴもんくんは思いました。
(ちょっと痛かったけど……笑ってもらえて、よかったピヨ)
それは、無理に強がったわけじゃなくて、
みんなと同じ気持ちでいたかったから。
そしてみんなも、
そのやさしい冗談を受け取って、いっしょに笑ったのでした。
📝ことばのおくりもの
人が自分の痛みをそっと冗談にしたとき、
そこには「一緒に笑っていいよ」というやさしいサインがあることがあります。
気をつかうことよりも、その想いを受け取って、同じ目線で笑うこと。
それが、心の距離をぐっと近づけることもあるのです。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
ベルちゃんのカフェで、ヒヨコ三兄弟がイチゴケーキを楽しみにしているピヨ♪
でも、ぴもんくんがうっかりつるんっと転んで、ケーキがぺちゃんこになっちゃったピヨ〜!
ヒヨコくんとひよたくんはびっくりしたけど、ぴもんくんが「ぼくのほうが先につぶれちゃったピヨ〜」って笑ったから、みんなもくすっと笑顔になったピヨ。
ベルちゃんもやさしく笑って、カフェの中はあったかい空気でいっぱいになったピヨ♪
絵本みたいなやさしい色合いで、イチゴケーキやカフェの小物もかわいく描かれているピヨ〜!

Comments are closed