ある日の午後、ヒヨコ三兄弟とベルちゃんは、森の広場で元気いっぱいに遊んでいました。かくれんぼをしたり、草を集めて山を作ったり、みんな楽しそうに笑い合っています。
「ベルちゃん、もういいピヨ?」とヒヨコくんがかくれんぼの鬼になって、目を隠しながら数を数えています。
「まだまだ〜!」とベルちゃんの元気な声が響きます。ぴもんくんはふかふかの草むらに隠れ、ひよたくんは木の後ろにそっと身を潜めました。
「もういいピヨ!探すピヨ!」とヒヨコくんが目を開けたその時、森の奥から小さな声が聞こえてきました。
「お腹すいたなぁ…」
ヒヨコくんはピタッと動きを止め、「今の声、聞こえたピヨ?」とみんなに尋ねました。
ひよたくんも木の影から顔を出し、「うん…なんだか困っているみたいピヨ。」と心配そうに言います。
「きっとお腹がペコペコの誰かがいるピヨ!」とぴもんくんが草むらから顔を出し、フィッシュアーモンドをギュッと抱えました。
「行ってみよう!」とベルちゃんがみんなを引き連れ、声のする方へ進み始めます。
茂みをかき分けて森の奥へ進んでいくと、そこには白くてふわふわの小さなうさぎが座り込んでいました。お腹を押さえて、しょんぼりしています。
「こんにちはピヨ!」ヒヨコくんが元気よく声をかけると、うさぎはびっくりしたように顔を上げました。
「わたし、エル…お散歩していたらお腹がすいちゃって…もう動けなくなっちゃったの…」とうさぎが恥ずかしそうに答えました。
「それは大変ピヨ!ボクたちのおやつを分けてあげるピヨ!」とぴもんくんが大事そうに持っていたフィッシュアーモンドを差し出します。
「わぁ…アーモンド、大好き!」エルちゃんは嬉しそうにフィッシュアーモンドを受け取ると、ポリポリと美味しそうに食べ始めました。
「良かったピヨ〜!お腹が空いてる時は、食べるのが一番ピヨ!」とぴもんくんがニッコリ笑います。
「もう大丈夫ピヨ?」とひよたくんが心配そうに尋ねると、エルちゃんは元気よく頷きました。
「うん、すっかり元気になったよ!みんな、ありがとう!」
ベルちゃんがにっこり笑って、「お腹が空いたら、いつでも言ってね!」と言うと、エルちゃんも「うん!みんな優しいね!」と嬉しそうに笑いました。
「これから一緒に遊ぼうピヨ!」とヒヨコくんが手を差し出すと、エルちゃんはその手をぎゅっと握りました。
「うさぎさんじゃなくて、エルって呼んでね!」
「エルちゃん、よろしくピヨ!」と、ヒヨコ三兄弟とベルちゃんは口をそろえて言いました。
こうして、エルちゃんはヒヨコ三兄弟とベルちゃんの新しい仲間になり、みんなで楽しい時間を過ごすことになりました。
次の日の朝、森の広場には、さっそくエルちゃんの姿がありました。お気に入りのリボンをつけて、ちょこんと座りながらみんなを待っています。「今日はなにして遊ぼうかな〜!」と、エルちゃんはわくわくした表情でつぶやきました。
そこへ、ヒヨコ三兄弟とベルちゃんがやってきました。「おはようピヨ〜!」と元気な声が響くと、エルちゃんはぱっと顔を上げて嬉しそうに笑いました。
「今日はね、森の中で“たからさがしごっこ”をするピヨ!」とヒヨコくんが自信たっぷりに言いました。「ボクが宝物をかくす役ピヨ!みんなで見つけてピヨ!」
「わー!おもしろそう!」とベルちゃんが手を叩いて喜びます。「ね、エルちゃんも一緒に探そうよ!」
「うんっ、やってみたい!」とエルちゃんも元気よくうなずきました。
ヒヨコくんは小さな袋から、キラキラ光るビーズやドングリのネックレス、色とりどりの落ち葉を取り出して、あちこちに宝物を隠していきます。ぴもんくんとひよたくんは、「あっちにかくしそうピヨ」「いや、あの木のうしろじゃないピヨ?」と話しながら大盛り上がり。
「見つけたー!」とベルちゃんの声が森に響きます。草の中から、かわいい木の実のブローチを見つけたようです。
「やったね!」とエルちゃんもにっこり。でも、まだ一つも見つけられず、少しだけしょんぼりしてしまいました。
それを見ていたひよたくんが、そっとエルちゃんのそばに来て、「エルちゃん、ヒントいるピヨ?」と声をかけました。
「うん…ちょっとだけ…」とエルちゃんがこっそりお願いすると、ひよたくんはニコッと笑って、「じゃあ、いっしょに探そうピヨ」と言って、二人で森の奥へ歩き始めました。
すると、大きな木の根元に、何かがキラリと光っているのを見つけました。「あっ、あれかも!」とエルちゃんが小さな手で掘り出してみると、そこにはヒヨコくんがこっそり隠していた、金色のボタンがありました。
「見つけたー!」とエルちゃんは大喜び。ヒヨコ三兄弟もベルちゃんも拍手して、「やったね、エルちゃん!」「すごいピヨ~!」とほめてくれました。
その日の午後は、みんなでおやつタイム。ぴもんくんが持ってきたフィッシュアーモンドと、ベルちゃん特製の木の実クッキー、ひよたくんが用意したハチミツのドリンクがずらりと並びました。
「うれしい…こんなに楽しいこと、ひさしぶり!」とエルちゃんは目をキラキラさせながら言いました。
「これからは毎日がもっともっと楽しくなるピヨ!」とヒヨコくんが言うと、みんなは「うんっ!」と笑顔でうなずきました。
そしてその日から、エルちゃんは毎日広場に遊びに来るようになりました。ヒヨコ三兄弟やベルちゃんといっしょに、探検したり、お料理をしたり、お昼寝したり…。エルちゃんの笑顔が、森のみんなをさらに明るくしてくれたのでした。
おしまい!
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