冬のある朝、ヒヨコ三兄弟のおうちにヒヨコママが大きな袋を抱えて帰ってきました。
「みんな~!今日はご近所さんから、たくさんのみかんをいただいたわよ。」
袋の中には、小さな山ができるほどのみかんがぎっしり。
「わーい!みかんだピヨ!」とヒヨコくんが大喜び。
「どれどれ、どんな味ピヨ?」とぴもんくんが早速一つ手に取り、器用に皮をむき始めました。
ひよたくんは、皮のいい香りに目を細めながら「甘そうでおいしそうピヨね」とじっと見つめています。
ぴもんくんが最初に食べたみかんを一口。
「ん~!甘くて最高ピヨ~!」と、目をキラキラさせながら次々に食べ始めます。
それを見てヒヨコくんも「ボクも負けないピヨ!」と競うように皮をむきます。
すると、ひよたくんが少し考えながら言いました。
「せっかくだから、みかんを使って楽しいことをしようピヨ。例えば、みかんジュースを作るのはどうピヨ?」
「みかんジュースピヨ?それいいピヨ!」とヒヨコくんも賛成。
ぴもんくんは「ジュースにしてもおいしいピヨね」と目を輝かせます。
三兄弟はヒヨコママに手伝ってもらいながら、みかんジュース作りを始めました。
まずは、ひよたくんがみかんを一つずつ丁寧に半分に切り分けます。
「よし、ここからはボクの出番ピヨ!」とヒヨコくんが果汁を搾る器械を使って、力強くみかんを絞ります。
ぴもんくんはというと、搾りたての香りにうっとりしながら、「甘そうなみかんはどれピヨ?」と味見係に立候補。
「お兄ちゃん、ちょっと飲みすぎピヨ!」とひよたくんが注意すると、ぴもんくんは「ついおいしくて止まらないピヨ!」と照れ笑い。
搾りたてのジュースがたくさんたまると、ヒヨコママが氷と一緒にグラスに注いでくれました。
「わぁ、いい色だね」「香りも最高!」と三兄弟は目を輝かせながら、みかんジュースを飲み始めます。
「ん~!甘くてさっぱりして最高ピヨ!」とヒヨコくん。
「これなら何杯でも飲めそうピヨ」とぴもんくんも満足そうです。
ひよたくんは「お日様みたいな明るい味がするピヨ」と感想を述べました。
お昼になると、ヒヨコママが「みんな、ちょっと手伝って」と言いました。
「次は、みかんを使ってケーキを作るわよ。」
三兄弟は「ケーキピヨ!?それは楽しみピヨ!」と大興奮。
ひよたくんがみかんを薄くスライスし、ヒヨコくんがスポンジケーキに飾り付けをします。
ぴもんくんはその横で「みかんを少し味見するピヨ!」とまたこっそり一口。
「ぴもんくん、それ以上食べたら飾る分がなくなるピヨ!」と、ひよたくんがあきれながら言います。
完成したみかんケーキは、スポンジの上にみかんの輪切りがきれいに並び、見るからにおいしそう!
「こんなにおいしいケーキができるなんて、みかんってすごいピヨね!」とヒヨコくんが感心して言いました。
その後、三兄弟は余ったみかんの皮を使って「みかんアート」に挑戦することに。
ひよたくんが「お花の形に切ってみるピヨ」と細かい作業を始めると、ヒヨコくんも負けじと「星の形にするピヨ!」と集中し始めます。
ぴもんくんはというと、「えっと、フィッシュアーモンドの形に…うまくできたピヨ!」と嬉しそうに見せましたが、どちらかというとただの丸い形。
「でも、お兄ちゃんらしいピヨ」とひよたくんが笑いながら褒めました。
アートが完成すると、三兄弟は「これをヒヨコママに見せるピヨ!」と得意げにお皿に並べて持って行きます。
ヒヨコママは「まぁ、かわいい!みんな本当に器用ね」とニコニコしながら、そのお皿をキッチンに飾ってくれました。
その日の夜、三兄弟はみかんをめいっぱい楽しんで、満足そうにぐっすり眠りました。
「みかんって、ただ食べるだけじゃなくて、いろんな楽しみ方があるピヨね!」とヒヨコくんが布団の中でつぶやくと、兄弟みんなで「ほんとだピヨ」と笑い合いました。
次の日も、みかんジュースやみかんアートを楽しむ三兄弟の元気な声が聞こえてきたのでした。
※タイトルのイラストには、ヒヨコ三兄弟がキッチンでみかんを使ってジュースを作っている様子です。窓際のヒヨコは…