今日は朝から、まるでお日さまが本気を出しているかのような、ギラギラのお天気。ジリジリと照りつける太陽の光に、ヒヨコ三兄弟は早くもぐったり。おでこにはキラリと光る汗のしずくがぽたぽた……。
「こーんな暑い日は、やっぱりお水で遊ぶしかないピヨ!」
ヒヨコくんがくちばしをピンとのばして、元気よく提案しました。それを聞いたヒヨコママは「ふふっ」とやさしく笑って、小さなカラフルなビニールプールをお庭に出してくれました。水を入れると、プールの中はキラキラと光って、まるで小さな湖みたい。
「うわぁ、つめたくて気持ちいいピヨ~!」
ぴもんくんがそっと足を入れると、そのひんやり感に思わずうっとり。ふっくらした体を左右にゆらしながら、ぷにっとした足をパチャパチャさせます。
「ボクも入るピヨ!」
ひよたくんもニコニコしながらチャポンと入り、ぷかぷか浮かぶアヒルのおもちゃをつつき始めました。アヒルがくるくると回りながら水面を漂うたびに、三兄弟の笑い声が空へと舞い上がります。
そのときです。ヒヨコくんが、何やら得意げな顔で両手に持ったアイテムを掲げて登場しました。
「ジャジャーン!ボクの最強アイテム、水鉄砲ピヨ!」
言うが早いか、バシュッ!
「わっ、ちめたいピヨ!」
突然の水しぶきに、ぴもんくんがぴょんっと跳ねます。
「やったなピヨ~!ボクもお返しピヨ!」
ぴもんくんもすぐに水鉄砲を手に取り、シュッ!と反撃。ひよたくんも負けていられません。
「ボクもまぜてピヨ~!」
ひよたくんも小さめの水鉄砲を握って参戦し、あっという間にお庭はびしょびしょ大合戦に。飛び交う水しぶき、笑い声、バシャバシャという音が響いて、まるで夏のお祭りのよう。
「ピヨピヨピヨ~!まいったピヨ~!」
ヒヨコくんが水から逃げるように走ると、ぴもんくんとひよたくんがその後を追いかけ、大笑い。お腹をかかえて笑いながら、みんなの羽はもう水でぺったり。でも、それがまた気持ちいいのです。
少し休憩をはさむと、今度はプールの中にお船のおもちゃを浮かべて、静かな遊びタイム。ヒヨコくんが小さな怪獣フィギュアを手に取って、今度は怪獣ごっこがスタートです。
「ガオーッ!この海はボクのものピヨ!全部いただくピヨ~!」
ヒヨコくんの怪獣がぴもんくんのお船にぐわっと襲いかかると、
「お船が沈むピヨ~!助けてピヨ~!」
ぴもんくんがあわてて叫びます。そこへ颯爽と現れたのは――
「正義のヒヨタマン登場ピヨ!悪い怪獣はボクがやっつけるピヨ!」
ひよたくんが勇ましく声をあげて、怪獣との大バトルが始まりました。水しぶきがキラキラと光る中、戦いごっこはどんどんヒートアップ!
「負けないピヨ~!」
「やられたピヨ~!」

そしてそのたびに、三兄弟の声が空高く響き渡ります。太陽の光に照らされたお庭には、笑顔としぶきがいっぱい。暑さなんてすっかり忘れてしまうほど、三人は夢中で遊び続けました。
たっぷり遊んで、体がぽかぽかしてきたころ、ヒヨコママが冷たいジュースとひんやりおやつを持ってきてくれました。氷がカランと音を立てるグラス、甘いフルーツのシャーベット……三兄弟はにっこり。
「やっぱり夏はプール遊びに限るピヨ!」
涼しい風がふわっと吹いて、汗をぬぐうと、その風までもがごほうびのように感じられました。ヒヨコ三兄弟はおなかも心もいっぱいになって、まるで太陽と仲良しになったような、そんな気持ちで過ごした夏の一日でした。
おしまい。
※タイトルのイラストには、ビニールプールにちゃぷんとひたっているヒヨコ三兄弟が描かれています。天気もいいし、緑の中で気持ち良さそうです。