「よ〜し、それじゃあ出発ピヨ!」
チュンにいちゃんが手を高く上げると、ヒヨコ三兄弟も「おーっピヨ!」と元気いっぱい。
ヒヨコくんがリュックに“宝の地図”を入れて、ぴもんくんはおやつをぎっしりつめて、ひよたくんはコンパスとメモ帳を用意しました。
森の入り口で、ヒヨコくんが地図を広げます。
「ふむふむ…“大きなきのこが3つ並んだ先に、星の形の石をさがせ”…って書いてあるピヨ」
「きのこ…そんなの見たことないピヨ」「森の奥の方かな?ちょっとこわいけど、がんばるピヨ!」
みんなで手をつないで、森の中へと進んでいきます。
しばらく歩くと――
「見てピヨ!あれ!きのこが3つ、ならんでるピヨ!」
ふかふかの苔のうえに、赤、青、黄色の大きなきのこが並んでいます。
「ここから先に、星の形の石があるはずピヨ」と、チュンにいちゃんが地図と森を見比べて言いました。
ヒヨコくんたちは正面の小道へ進んでいきました。
すると――
「これじゃないピヨ!?見て見て!」ひよたくんが呼びました。
苔の間に、ほんとうに星の形をした黄色い石が、ぽつんと置かれていました。
そばには、小さなメッセージカードがありました。
「“この星の石を持ち、光る木の下をくぐれ”って書いてあるピヨ…!」
「光る木…?そんなのあるピヨ?」
「うん、見たことあるかもピヨ。夜になると、ひかる木があるって、ベルちゃんが言ってたピヨ!」
「それなら、日が暮れるまで、ちょっと休憩してから探そうピヨ」
ぴもんくんが広げたシートの上で、おやつタイムが始まります。
チュンにいちゃんの七色フィッシュアーモンドに、ぴもんくんのお手製クッキー、ひよたくんが読んでくれた絵本――
春の風がそよそよと吹くなかで、みんなはほっこりひとやすみ。
空がすこしずつオレンジ色に染まりはじめたころ――
「そろそろ出発ピヨ!“光る木”をさがすピヨよ!」
そして、夕暮れの森へと再び足を踏み出すヒヨコ三兄弟とチュンにいちゃん。
星の石をかかえながら、次なる“光る木”をめざします!
果たして、宝の正体とは――?
(つづく)
※タイトルのイラストには、草原の上にピクニックシートを敷いて、休憩しているヒヨコ三兄弟とチュン兄ちゃんが描かれています。クッキーやフィッシュアーモンドが美味しそうだね!