今日はアニマルランドの夏祭りの日。
ヒヨコ三兄弟もヒヨコママと一緒に祭りにお出かけすることに!
「わぁ!お祭りだピヨ!」
ヒヨコくんが目をキラキラさせながら、ヒヨコママの羽をぎゅっと握りました。今日は待ちに待った夏祭りの日です。ヒヨコ三兄弟はヒヨコママと一緒に、夜の屋台がずらりと並ぶお祭り会場にやってきました。
「すごいピヨ〜!たこ焼きに、りんご飴に、焼きとうもろこしもあるピヨ!」
ぴもんくんは食べ物の屋台をじーっと見つめて、もうすでによだれが出そうです。
「きれいな飾りもあるピヨ!あっちではヨーヨーすくいや金魚すくいもやってるピヨ!」
ひよたくんは、カラフルなヨーヨーや、きらびやかに揺れる提灯にうっとりしています。
「ふふっ、みんな楽しそうね。でも、はぐれないように気をつけるのよ?」
ヒヨコママは優しく微笑みながら、三兄弟をしっかり見守ります。
そんな中、ヒヨコくんがある屋台の前で立ち止まりました。
「くじ引きだピヨ!」
そこにはたくさんの景品が並んでいて、一等には大きなぬいぐるみが置かれています。
「ヒヨコママ、やりたいピヨ!」
「んー、いいけど、一回だけよ?」
「えぇ〜!もうちょっとピヨ!」
ヒヨコくんは上目遣いでおねだりします。ヒヨコママは少しだけため息をつきながらも、「仕方ないわね」と三回分のくじを買ってくれました。
「やったピヨ!」
ヒヨコくんは勢いよくガラガラを回します。
「…白!ハズレです!」
「もう一回ピヨ!」
ガラガラガラ……
「…白!残念!」
「まだあるピヨ!今度こそピヨ!」
ガラガラガラ……
「…白!全部ハズレ!」
「えぇぇぇーー!!そんなバカなピヨ!!」
ヒヨコくんは両羽を広げて、大げさにがっくりとうなだれました。
「ヒヨコくん、どんまいピヨ!」
ぴもんくんは自分の持っていたりんご飴を差し出します。
「これ、ひと口食べるピヨ?甘くておいしいピヨ〜」
「…ぴもんくん、優しいピヨ…でもボクはまだ諦めないピヨ!」
ヒヨコくんは気を取り直して、お店の人をじっと見つめます。すると、おじさんがにこにこと笑いながら、ヒヨコくんに小さな袋を手渡しました。
「ハズレでもお菓子がもらえるピヨ!」
ヒヨコくんは少ししょんぼりしながらも、お菓子を口に入れました。
「…ん?これ、めちゃくちゃおいしいピヨ!!」
さっきまで落ち込んでいた顔が、一気にパァッと明るくなります。
「ヒヨコくん、単純ピヨ…」
ひよたくんは苦笑いしながら、小さな声でつぶやきました。
「でも、おいしいならよかったピヨ!」
ぴもんくんもニコニコしながら、お菓子を一緒に味わいます。
「最後まで全力だったわね。えらいわよ?」
ヒヨコママはヒヨコくんの頭を優しくなでました。
そのとき、大きな音とともに夜空に花火が打ち上がります。
「わぁぁぁ〜!きれいピヨ!!」
三兄弟は夢中で花火を見上げ、最高の夏祭りの思い出を作るのでした。
