ある日、森の広場でヒヨコ三兄弟とピヨちゃんは集まって遊んでいました。
そこへ、遠くから小さな声が聞こえてきました。
「ねえ、あの子たちってわがままなんだって」
「この前も悪いことしたらしいよ」
ひよたくんは耳をぴくりと動かし、心配そうに言いました。
「……ボクたちのことを言ってるみたいピヨ。でも、それ本当じゃないピヨ」
ぴもんくんは少ししょんぼりしながら、おやつのフィッシュアーモンドを見つめました。
「知らないうちに、そんなこと言われてるなんて……つらいピヨ」
けれど、ヒヨコくんは胸を張って言いました。
「ボクたちはそんなことしてないピヨ! だから心配しなくていいピヨ!」
ピヨちゃんは落ち着いた声で言いました。
「わるぐちってね、その人の本当を言ってないピヨ。そして、わるぐちを言った人の心の中を表してしまうピヨ。ヤキモチや不安や、優しさを忘れた気持ちが、言葉になってしまうピヨ」
ひよたくんはハッとしました。
「なるほどピヨ……だから、聞く人は誰が本当を言っているかを見抜けるんだね」
ぴもんくんも少し笑顔を取り戻しました。
「ボクたちは、ちゃんとまっすぐ過ごしていればいいピヨね」
ヒヨコくんは元気に羽を広げました。
「当たり前ピヨ! ボクたちのほんとうは、ボクたちの行動で見せていけばいいピヨ!」
みんなはうなずき合い、誤解よりも、自分たちの優しさや友情を積み重ねていこうと決めました。
📝ことばのおくりもの
誹謗中傷は、決して標的の真実を語りません。
むしろ、その言葉を放った者の心の状態を、雄弁に映し出します。
人を傷つける言葉は、放った者自身の弱さや苦しさを明らかにしてしまうのです。
だからこそ、他者の言葉に振り回されるよりも、自分の誠実な行いを大切にしてください。
真実は、言葉ではなく、あなたの歩んだ道のりと生き方の中に、静かに輝き続けます。
