[ひよこものがたり]言葉の贈り物編第14話「ほんとうを語る声」

ひよこものがたり

ある日、森の広場でヒヨコ三兄弟とピヨちゃんは集まって遊んでいました。

そこへ、遠くから小さな声が聞こえてきました。

「ねえ、あの子たちってわがままなんだって」

「この前も悪いことしたらしいよ」

ひよたくんは耳をぴくりと動かし、心配そうに言いました。

「……ボクたちのことを言ってるみたいピヨ。でも、それ本当じゃないピヨ」

ぴもんくんは少ししょんぼりしながら、おやつのフィッシュアーモンドを見つめました。

「知らないうちに、そんなこと言われてるなんて……つらいピヨ」

けれど、ヒヨコくんは胸を張って言いました。

「ボクたちはそんなことしてないピヨ! だから心配しなくていいピヨ!」

ピヨちゃんは落ち着いた声で言いました。

「わるぐちってね、その人の本当を言ってないピヨ。そして、わるぐちを言った人の心の中を表してしまうピヨ。ヤキモチや不安や、優しさを忘れた気持ちが、言葉になってしまうピヨ」

ひよたくんはハッとしました。

「なるほどピヨ……だから、聞く人は誰が本当を言っているかを見抜けるんだね」

ぴもんくんも少し笑顔を取り戻しました。

「ボクたちは、ちゃんとまっすぐ過ごしていればいいピヨね」

ヒヨコくんは元気に羽を広げました。

「当たり前ピヨ! ボクたちのほんとうは、ボクたちの行動で見せていけばいいピヨ!」

みんなはうなずき合い、誤解よりも、自分たちの優しさや友情を積み重ねていこうと決めました。

📝ことばのおくりもの

誹謗中傷は、決して標的の真実を語りません。

むしろ、その言葉を放った者の心の状態を、雄弁に映し出します。

人を傷つける言葉は、放った者自身の弱さや苦しさを明らかにしてしまうのです。

だからこそ、他者の言葉に振り回されるよりも、自分の誠実な行いを大切にしてください。

真実は、言葉ではなく、あなたの歩んだ道のりと生き方の中に、静かに輝き続けます。

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