ある日、ヒヨコくんたちは森の広場で遊んでいました。
ヒヨコくん、ぴもんくん、ひよたくんの三人でサッカーです。
「いくピヨー!」
ヒヨコくんが元気よくドリブルし、ぴもんくんへパス。
ぴもんくんは嬉しそうにボールを追いかけます。
でも――
ひよたくんがボールを蹴ろうとするたびに、ぴもんくんが横からひょいっと横取りしてしまうのです。
「もう!ボクもシュートしたいピヨ!それにぜんぜんパスしてくれないピヨ!」
ひよたくんは思わず声を上げました。
ぴもんくんは照れ笑い。
「ごめんピヨ~、ついボク、夢中になっちゃって」
ヒヨコくんはその様子を見て、少し心配そうに二人を見ていましたが、何も言えずにいました。
けれど、ひよたくんの胸の中には、モヤモヤとした気持ちが残ったまま。
その夜。
お布団の中。
「なんでボク、こんなにイライラしてるんだろう…怒っちゃダメなのかな…?」
ひよたくんはスタイをぎゅっと握りしめながら考えました。
次の朝。
森の外れで、風にゆれる小さな花を見つめながら、ひよたくんはふと気づきます。
「怒りって、いやな気持ちを教えてくれるサインなんだピヨ。
ボクは“ちゃんと仲良く遊びたい”って思ってたんだピヨ」
そこへヒヨコくんがやってきました。
「ひよたくん、昨日ちょっと元気なかったピヨね」
ひよたくんはうなずきました。
「ボク、イヤだったって言ってもいいのかなって考えてたピヨ」
ヒヨコくんは、にっこり笑います。
「当たり前ピヨ!言わないと分からないこともあるピヨ」
その言葉に背中を押されて、ひよたくんはぴもんくんのところへ。
「ボク、昨日すごくイヤだったピヨ。
でもね、ボクもちゃんと楽しみたかったんだピヨ」
ぴもんくんは目を丸くして、それから優しく笑いました。
「そうだったんだピヨ。教えてくれてありがとうピヨ!
次はパス、絶対するピヨ!」
ヒヨコくんも大きくうなずきます。
「よーし!三人サッカー、チームプレー強化ピヨ!」
その日から、三人のサッカーはもっと息がぴったりになりました。
ひよたくんの“怒り”は、ケンカを生むためじゃなく、
“思いを伝える勇気” に変わったのです。
📝 ことばのおくりもの
怒りは、悪者ではありません。
それは「このままじゃイヤだ」という、心の奥からの声。
ただぶつけるのではなく、その奥にある願いを見つめることで、
私たちは前に進む力を得ることができます。
怒りを知り、
怒りに動かされず、
怒りで踏み出す。
そこにこそ、ほんとうの成長の一歩があるのです。
※アイキャッチの説明
やさしい森の中で、ヒヨコくん・ぴもんくん・ひよたくんが並んで座っているイラストピヨ。
まん丸おめめに、ほんのり赤いほっぺ、ふっくらした体であったかい雰囲気ピヨ。
上には「いかりの翼」の文字と、小さな羽がそっと描かれていて、心が成長するお話を感じる一枚ピヨ🪽🐥

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