[ひよこものがたり]ことばのおくりもの編第33話「ドキドキしても、そばにいるピヨ」

ある日、ヒヨコくんたちは森の広場に集まりました。

今日は、新しくできた高いすべり台で遊ぶ日です。

「うわー!はやくすべりたいピヨ!」

ヒヨコくんは目をきらきらさせました。

「たかいけど、たのしそうピヨねぇ」

ぴもんくんも、にこにこしています。

でも、ひよたくんは、すべり台の下で立ち止まりました。

上を見上げると、胸がドキドキしてきます。

「……ちょっと、こわいピヨ」

足が、動きません。

ヒヨコくんは、すぐに気づきました。

「ひよたくん、やりたくないわけじゃないピヨ?」

ひよたくんは、こくんとうなずきます。

「やりたい気持ちはあるピヨ。

でも、たかくて……ドキドキするピヨ」

ぴもんくんは、やさしく言いました。

「ドキドキするってことは、

“気をつけよう”って気持ちなんだと思うピヨ」

ひよたくんは、少し考えます。

「……じゃあ、いきなりのぼらなくてもいいピヨ?」

「もちろんピヨ!」

ヒヨコくんは、元気に言いました。

「まずは、下から見てみるピヨ。

ボクたち、そばにいるピヨ!」

ぴもんくんも、ひよたくんの横に立ちました。

「ゆっくりでいいピヨ。

こわくなったら、止まってもいいピヨ」

ひよたくんは、深呼吸をひとつ。

それから、一段だけ、のぼってみました。

「……できたピヨ」

もう一段。

手すりをぎゅっと持って。

ドキドキは、まだあります。

でも、ひとりじゃありません。

とうとう、てっぺんに着いたとき、

ひよたくんは、にっこり笑いました。

「こわかったけど……うれしいピヨ!」

下から、ヒヨコくんとぴもんくんが手をふります。

「すごいピヨ!」

「がんばったピヨ〜!」

ひよたくんのドキドキは、

「できた!」という気持ちに変わっていました。

📝 ことばのおくりもの

こわい気持ちは、

「だめ」じゃなくて

「ゆっくり行こう」という合図。

ひとりでがんばらなくていい。

そばにいる人と、いっしょに考えればいい。

ドキドキしながら進んだ一歩は、

ちゃんと、勇気になります。

※アイキャッチの説明

たかいすべり台のてっぺんで、

ドキドキしながらもがんばるひよたくんピヨ。

下ではヒヨコくんとぴもんくんが、

にこにこ手をふって応援してるピヨ。

こわくても、ひとりじゃないピヨ。

「ドキドキしても、そばにいるピヨ」

やさしい気持ちがいっぱいの一枚ピヨ✨

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