ある朝、ヒヨコくんは森の入り口で立ち止まっていました。
分かれ道が二つ。
ひとつはピヨちゃんが「みんな通る安全な道ピヨ」と教えてくれた道。
もうひとつは、誰も行ったことのない細くて曲がりくねった道でした。
「うーん……どっちに行こうかなピヨ。」
ヒヨコくんが悩んでいると、ぴもんくんがのんびりと近づいてきました。
「ボクは安全な道に行くピヨ。お腹もすいてるし、寄り道はナシピヨ。」
ひよたくんも言いました。
「ボクもそうするピヨ。だって、みんなが行く方が安心だピヨ。」
ヒヨコくんはうなずきながらも、足元の落ち葉をじっと見つめました。
胸の奥で、何かがチリチリと動くのを感じたのです。
——ボクは、本当はどっちに行きたいんだろう?
その瞬間、風がふわっと吹いて、森の奥から光が差しました。
「……行ってみようピヨ。」
ヒヨコくんは決めました。誰も通らない方の道を。
道は険しく、途中で転んでしまうこともありました。
「なんでこんな道を選んじゃったんだろうピヨ……」と涙が出そうになった時もありました。
でも、歩いていくうちに、見たことのない花が咲いているのを見つけたり、
鳥の歌が心に響いたりしました。
やがて森を抜けたとき、ヒヨコくんは小さく笑いました。
「ボクの選んだ道は、ボクだけの道ピヨ。
大変だったけど、誰のせいでもないピヨ。
それって、なんだか気持ちいいピヨ。」
その日、ヒヨコくんの胸の中に、ちいさな“自信”という光がともりました。
📝 ことばのおくりもの
他者の道を行き、誰かのせいにして生きるのは、心は楽かもしれません。
けれど、自らの道を選び、その結果に責任を持つとき、人はほんとうに強く、優しくなります。
自分の人生は、誰かのものではなく、あなたの意志で進む道。
その一歩を選ぶ勇気こそが、「大人」へのしるしです。
※アイキャッチの説明
くねくねのみちを、ふっくらヒヨコがてちてち歩いてるピヨ。
まん丸おめめで、さきの景色をじっと見つめてるピヨ。
みちのさきに、なにが待ってるのかな…そんなワクワクがつまった一枚ピヨ。

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