[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第34話― みちのさきにあるもの ― 🌿

ある朝、ヒヨコくんは森の入り口で立ち止まっていました。

分かれ道が二つ。

ひとつはピヨちゃんが「みんな通る安全な道ピヨ」と教えてくれた道。

もうひとつは、誰も行ったことのない細くて曲がりくねった道でした。

「うーん……どっちに行こうかなピヨ。」

ヒヨコくんが悩んでいると、ぴもんくんがのんびりと近づいてきました。

「ボクは安全な道に行くピヨ。お腹もすいてるし、寄り道はナシピヨ。」

ひよたくんも言いました。

「ボクもそうするピヨ。だって、みんなが行く方が安心だピヨ。」

ヒヨコくんはうなずきながらも、足元の落ち葉をじっと見つめました。

胸の奥で、何かがチリチリと動くのを感じたのです。

——ボクは、本当はどっちに行きたいんだろう?

その瞬間、風がふわっと吹いて、森の奥から光が差しました。

「……行ってみようピヨ。」

ヒヨコくんは決めました。誰も通らない方の道を。

道は険しく、途中で転んでしまうこともありました。

「なんでこんな道を選んじゃったんだろうピヨ……」と涙が出そうになった時もありました。

でも、歩いていくうちに、見たことのない花が咲いているのを見つけたり、

鳥の歌が心に響いたりしました。

やがて森を抜けたとき、ヒヨコくんは小さく笑いました。

「ボクの選んだ道は、ボクだけの道ピヨ。

大変だったけど、誰のせいでもないピヨ。

それって、なんだか気持ちいいピヨ。」

その日、ヒヨコくんの胸の中に、ちいさな“自信”という光がともりました。

📝 ことばのおくりもの

他者の道を行き、誰かのせいにして生きるのは、心は楽かもしれません。

けれど、自らの道を選び、その結果に責任を持つとき、人はほんとうに強く、優しくなります。

自分の人生は、誰かのものではなく、あなたの意志で進む道。

その一歩を選ぶ勇気こそが、「大人」へのしるしです。

※アイキャッチの説明

くねくねのみちを、ふっくらヒヨコがてちてち歩いてるピヨ。

まん丸おめめで、さきの景色をじっと見つめてるピヨ。

みちのさきに、なにが待ってるのかな…そんなワクワクがつまった一枚ピヨ。

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