[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第37話まねっこピヨとほんものピヨ🌼

ある日、森の広場でヒヨコ三兄弟がかけっこをしていました。

ひよたくんがゴールの旗を持ち、ヒヨコくんとぴもんくんがスタートラインに並びます。

「よーい、ピヨっ!」

ぱたぱたぱた——!

ヒヨコくんは力強く走り出し、ぴもんくんは少しよろけながらも一生懸命走りました。

けれど、いつも勝つのはヒヨコくん。ぴもんくんは少ししょんぼりです。

「ボク、ヒヨコくんみたいに速くなりたいピヨ…!」

そう言って、次の日からぴもんくんはヒヨコくんの動きを全部まねしました。

足の上げ方、羽の振り方、息の仕方まで、ぜんぶヒヨコくんと同じに。

ところが——何度まねしても勝てません。

「どうしてピヨ…?ボク、ちゃんと同じようにしてるのに…」

涙目のぴもんくんを見て、ひよたくんが優しく言いました。

「ぴもんくん、まねすることは悪いことじゃないピヨ。

でもね、“まね”はゴールじゃなくて、スタートなんだピヨ。」

その言葉を聞いて、ぴもんくんはもう一度走り出しました。

今度は、ヒヨコくんのまねをしながらも、自分なりのリズムで走ってみたのです。

ちょっと重そうな足取りでも、楽しそうに、にこにこしながら。

すると不思議なことに、風がぴもんくんをやさしく押しました。

「わぁっ、ボク、速くなってるピヨ!」

ヒヨコくんも笑顔で言いました。

「ぴもんくん、その走り、ぴもんくんだけの走りピヨ!」

まねから始まって、自分らしさにたどり着いたぴもんくん。

その姿に、ひよたくんは小さく拍手を送りました。

📝ことばのおくりもの

「個性は、模倣の先に宿る。」

誰かをまねすることは、恥ずかしいことではありません。

むしろ、そこからが“ほんもの”への第一歩。

同じ道を歩き続ける中で、少しずつ自分の形が生まれ、

それがやがて、誰にも真似できない“あなたらしさ”になります。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

森の広場でヒヨコくんとぴもんくんが、にこにこ走ってるピヨ!

まんまるおめめに、ほっぺほんのりピンクで、ふわっとふくらんでてかわいいピヨ〜🐥

うしろでは、ひよたくんが赤い旗をふって応援してるピヨ!

お花もぽかぽか空もやさしくて、あったかいえほんみたいな世界ピヨ〜🌼🌿

まねっこからはじまる、だいじな一歩のイラストピヨね💛

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