ある日、森の広場でヒヨコ三兄弟がかけっこをしていました。
ひよたくんがゴールの旗を持ち、ヒヨコくんとぴもんくんがスタートラインに並びます。
「よーい、ピヨっ!」
ぱたぱたぱた——!
ヒヨコくんは力強く走り出し、ぴもんくんは少しよろけながらも一生懸命走りました。
けれど、いつも勝つのはヒヨコくん。ぴもんくんは少ししょんぼりです。
「ボク、ヒヨコくんみたいに速くなりたいピヨ…!」
そう言って、次の日からぴもんくんはヒヨコくんの動きを全部まねしました。
足の上げ方、羽の振り方、息の仕方まで、ぜんぶヒヨコくんと同じに。
ところが——何度まねしても勝てません。
「どうしてピヨ…?ボク、ちゃんと同じようにしてるのに…」
涙目のぴもんくんを見て、ひよたくんが優しく言いました。
「ぴもんくん、まねすることは悪いことじゃないピヨ。
でもね、“まね”はゴールじゃなくて、スタートなんだピヨ。」
その言葉を聞いて、ぴもんくんはもう一度走り出しました。
今度は、ヒヨコくんのまねをしながらも、自分なりのリズムで走ってみたのです。
ちょっと重そうな足取りでも、楽しそうに、にこにこしながら。
すると不思議なことに、風がぴもんくんをやさしく押しました。
「わぁっ、ボク、速くなってるピヨ!」
ヒヨコくんも笑顔で言いました。
「ぴもんくん、その走り、ぴもんくんだけの走りピヨ!」
まねから始まって、自分らしさにたどり着いたぴもんくん。
その姿に、ひよたくんは小さく拍手を送りました。
📝ことばのおくりもの
「個性は、模倣の先に宿る。」
誰かをまねすることは、恥ずかしいことではありません。
むしろ、そこからが“ほんもの”への第一歩。
同じ道を歩き続ける中で、少しずつ自分の形が生まれ、
それがやがて、誰にも真似できない“あなたらしさ”になります。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
森の広場でヒヨコくんとぴもんくんが、にこにこ走ってるピヨ!
まんまるおめめに、ほっぺほんのりピンクで、ふわっとふくらんでてかわいいピヨ〜🐥
うしろでは、ひよたくんが赤い旗をふって応援してるピヨ!
お花もぽかぽか空もやさしくて、あったかいえほんみたいな世界ピヨ〜🌼🌿
まねっこからはじまる、だいじな一歩のイラストピヨね💛

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