[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第63話「ほどほどの麦ジュース」

ある夕方、アニマルランドの広場では、みんなで集まって小さなお祝いが開かれていました。

テーブルの上にはごちそうが並び、笑い声がふわふわと空に浮かんでいます。

「今日はいい日だぞう〜!」

すーさんは大きな体をゆっさゆっさ揺らしながら、嬉しそうに麦ジュースをぐいっと飲みました。

ヒヨコくんはそれを見て、ちょっと心配そうに言います。

「すーさん、飲みすぎないでピヨ。あとで具合悪くなるピヨよ?」

「大丈夫だぞう、大丈夫だぞう〜」

そう言って、すーさんはもう一杯。

しばらくすると、すーさんの足取りはふらふら。

笑い声はだんだん大きくなり、テーブルにぶつかってお皿を倒してしまいました。

ガシャン。

「わっ……!」

ぴもんくんはびっくりして、持っていたフィッシュアーモンドを落としてしまいます。

ひよたくんは慌てて後片付けをしながら、胸がきゅっとなりました。

「すーさん……ちょっと困るピヨ」

ヒヨコくんの声は、いつもより小さく、でも真剣でした。

その時、すーさんはようやく静かになり、みんなの顔を見渡しました。

楽しそうだった空気が、少しだけ重たくなっていることに気づいたのです。

「……あれ?」

すーさんは頭をぽりぽりかきました。

「ボク、迷惑かけちゃったぞう……?」

ヒヨコママがそっと前に出て、優しく言いました。

「楽しく飲むのはいいことよ。でもね、自分を見失ってしまったら、それは悲しいことなの」

すーさんは深くうなずきました。

「楽しい気持ちで飲んでたのに、みんなを困らせたら意味ないぞう……」

その日、すーさんはそれ以上飲むのをやめ、みんなに「ごめんなさい」をしました。

ヒヨコ三兄弟は顔を見合わせて、ゆっくりとうなずきます。

「分かってくれたなら、もう大丈夫ピヨ」

「一緒にお水飲もうピヨ」

「次は、楽しいままで終わろうピヨ」

広場には、また少しずつ、あたたかい空気が戻ってきました。

今度は、誰も困らない、やさしい笑い声です。

📝 ことばのおくりもの

お酒は、心をゆるめてくれるもの。

でも、心まで手放してしまったら、

大切な人を傷つけてしまうこともある。

楽しさは、周りと分け合えてこそ。

「ほどほど」を守れることは、

大人のやさしさであり、強さです。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

🐥💛ピヨピヨ説明ピヨ💛🐥

アニマルランドの夕やけ広場で、すーさんが麦ジュースを飲んでいるピヨ🍺🐘

ヒヨコくんは赤いスカーフをつけて心配そうに見ていて、ぴもんくんはお魚ポーチをつけてびっくり顔ピヨ🐟💦

ひよたくんはピンクのスタイをつけて、どうしようかなと考えているピヨ📚

ヒヨコママもやさしく見守っていて、みんなで「ほどほどがだいじピヨ」と伝えているような、あたたかい絵本のワンシーンピヨ🌷✨

タイトルの「ほどほどの麦ジュース」が大きく描かれていて、やさしい夕焼け色が広がるほっこりしたイラストピヨ〜🐥💛

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