ある冬の日、アニマルランドに冷たい風が吹き、湖がつるんと凍りました。
「今日は、みんなでアイススケートにチャレンジよ〜♪」
そう言ったのは、海辺の優しいお姉さんペンギン、よいちゃん。
よいちゃんはスケートがとっても得意。今日はヒヨコ三兄弟に、スケートの楽しさを教えてあげることになりました。
「わーい!ひろい氷だピヨ!」
張り切るのは長男のヒヨコくん。氷の上に立つやいなや……
「まかせてピヨーーー!……すってーーーん!!」
勢いよく転んで、頭のうえに星がクルクル。
「お、おとととと……」
三男のひよたくんは、まじめに一歩一歩進もうとするものの、
足がふらふらして体がぐらぐら。
そのころ、次男のぴもんくんはというと――
「ふふ〜ん♪」と、まるで氷の上をお散歩するように、すい〜っと上手に滑っています!
「すごいピヨ!ぴもんくん上手すぎるピヨ!」

ヒヨコくんが転びながら言うと、ぴもんくんは首をかしげて、
「なんで滑れないピヨ?」と、ちょっぴり不思議そう。
その言葉に、ヒヨコくんとひよたくんは顔を見合わせて――
「うぬぬ……なんか悔しいピヨ!!」
「ボクだって、絶対うまくなってみせるピヨ!」

それを見ていたよいちゃんは、にこっと笑って言いました。
「焦らなくて大丈夫。スケートはね、氷と仲良くなることから始めるのよ〜♪」
ヒヨコくんとひよたくんは、よいちゃんの教えを聞きながら、氷の上で手を広げてバランスの練習。
よいちゃんがそっと支えながら、一緒に「すい〜〜♪」
ぴもんくんも、横でくるくると可愛いターンを見せて応援してくれました。
最後には、ヒヨコくんもひよたくんも、自分の足でしっかりと氷の上をすい〜っと滑れるようになりました!
「できたピヨ!!」「やったピヨ!」
三兄弟の笑顔がキラキラと氷に映って、湖はまるで光る宝石のようでした。

そしてその帰り道――
「ボク、スケートよりも…ホットチョコの方が得意かもピヨ♪」とぴもんくん。
「それもアリだピヨ!」とヒヨコくんが笑って、みんなで仲良くカフェに向かうのでした。
おしまい。
タイトルのイラスト説明。
雪が降る冬の風景の中、氷の上でスケートをしている3羽の黄色いヒヨコ三兄弟とペンギンのよいちゃんが描かれています。ヒヨコたちは青いスケート靴を履いて楽しそうに滑っており、よいちゃんも同じくスケート靴を履いています。背景には雪の積もった木が2本見えます。上部には青い文字で「すってん★スイスイ!ヒヨコミ三兄弟 氷の大冒険」と書かれています。
