[ひよこものがたり]第38話 「迷子の子猫ちゃんを助けるピヨ!」

ひよこものがたり

ある日の午後、ヒヨコ三兄弟はてちてちと道を歩いていました。空は青く、そよ風が心地よい穏やかな日です。そんな中、草むらの陰からか細い声が聞こえてきました。

「ニャー…」

「なんだピヨ?」とヒヨコくんが首をかしげながら声のする方をのぞき込むと、そこには小さな子猫ちゃんが涙をぽろぽろこぼしながら座り込んでいました。

「どうしたピヨ?泣いてるピヨ!」

ヒヨコくんが駆け寄ると、子猫ちゃんは震えた声で「ママとはぐれちゃったの…」と答えました。

「それは大変ピヨ!」

ヒヨコくんはすぐに状況を把握し、「ボクたちが一緒にママを探してあげるピヨ!」と優しく声をかけます。

子猫ちゃんを元気づける作戦!

しかし、子猫ちゃんは涙が止まらず、心細そうに「ママー!」と鳴き続けます。

「まずは落ち着くピヨ」と、ひよたくんは冷静に子猫ちゃんの背中を優しくなでました。

けれども、泣き止むどころか、子猫ちゃんはますます涙をぽろぽろとこぼします。

「うーん、どうするピヨ…」

そんな時、ぴもんくんが思いつきました。

「ボクのフィッシュアーモンドをあげるピヨ!これで元気になるピヨ!」

ぽっちゃりした羽で大切そうに取り出したフィッシュアーモンドを子猫ちゃんに差し出します。

「お魚の匂いだけど、なんか違う…」と子猫ちゃんは首をかしげました。

「ええー!?おいしいのにピヨ!」とぴもんくんはびっくり。

「じゃあ、ボクたちが楽しいことをしてあげるピヨ!」

ヒヨコくんはピンときて、提案しました。

「歌を歌ってあげるピヨ!」

三兄弟は声を合わせて、陽気な歌を披露。

「ラララ~ピヨピヨ~♪ ママはきっとすぐ見つかるピヨ~♪」

三羽の必死な歌声に、子猫ちゃんはくすっと笑い、泣き声が少しずつおさまりました。

「すごいピヨ!笑ってくれたピヨ!」と三兄弟は大喜び。

交番でのひと幕

その後、三兄弟は子猫ちゃんを連れて交番へ向かうことにしました。

「もう泣かないでピヨ。交番のおまわりさんが助けてくれるピヨ!」

ぴもんくんは子猫ちゃんが疲れないように、お腹の上に乗せてあげて一緒に歩きます。

交番に到着すると、優しいおまわりさんが対応してくれました。

「ママが迎えに来るまで、ここで待とうね」と言われた子猫ちゃんは、もうすっかり安心した様子です。

「ありがとう、ヒヨコさんたち!みんながいなかったら、もっと怖かったと思う…」と涙目でお礼を言いました。

ハッピーエンド

しばらくして、子猫ちゃんのママが無事に迎えに来てくれました。

「この子が迷子になったと聞いて、心配で探していたんです。本当にありがとうございました!」

感謝するママ猫さんに、三兄弟は照れ笑い。

「ボクたちに任せてピヨ!当たりまえピヨ!ピヨ!」とヒヨコくんが胸を張ると、ぴもんくんも「また困ったらフィッシュアーモンドを分けてあげるピヨ!」と得意げです。

ひよたくんは「でも、もう迷子にならないように気をつけるピヨね」と優しく子猫ちゃんに言いました。

「うん、ありがとう!」

その夜、ヒヨコ三兄弟は「今日もいいことをしたピヨ!」と満足げに眠りにつきました。

きっと明日も素敵な冒険が待っていることでしょう。

このイラストには、子猫ちゃんをお腹に乗せてリラックスさせているぴもんくんが描かれているピヨ!ふんわり優しいピヨ!

※タイトルのイラストには、泣いている子猫を見守るヒヨコ三兄弟が描かれています。子猫の毛の色は淡いクリーム色をベースに、ほんのりとしたライトグレーの縞模様が入っています。

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