[ひよこものがたり]第68話 ひよたくんの夢🌟

ひよこものがたり

ある日、アニマルランドの森は、ぽかぽかと春の光で包まれていました。

ヒヨコ三兄弟は広場に集まり、お友達といっしょに楽しい一日を過ごしていました。

「ボク、木登り競争するピヨ!」と、ヒヨコくんが元気いっぱいに声をあげます。

ぴもんくんは木の下でおやつを広げ、「ボクは応援しながらフィッシュアーモンドを食べるピヨ」とのんびり。

そしてひよたくんは、小さな子たちの集まりを見つけました。

森のはしっこでは、まだ小さなヒヨコたちが輪になって困っている様子です。

「おにごっこしたいけど、ルールがむずかしいピヨ〜」

「走ったら転んじゃったピヨ……」

ひよたくんはすぐに駆け寄って、やさしく声をかけました。

「だいじょうぶピヨ。ゆっくりでいいピヨ。ボクが教えてあげるピヨ。」

ひよたくんは、落ちていた小枝を拾って地面に線を引きながら、

「ここが“おに”のスタートラインで、ここをタッチしたら交代ピヨ。」

「転んでも大丈夫ピヨ。みんなで助け合えば楽しいピヨ。」

と、ひとつひとつていねいに説明していきます。

小さなヒヨコたちは、最初はモジモジしていましたが、

ひよたくんのゆっくりした話し方とやさしい笑顔に安心して、だんだん笑顔が戻ってきました。

「わかったピヨ!」「ボクもやってみるピヨ!」

みんなが元気に走り出すと、ひよたくんの胸がぽかぽかと温かくなりました。

その様子を、少し離れた場所で見ていたヒヨコママが、

穏やかな目でそっとつぶやきました。

「ひよたくん……あなた、まるで先生みたいね。」

その言葉が、ひよたくんの心の中に、あたたかな光となって広がりました。

──“先生”って、きっとこういうことなんだ。

誰かが困っているときに、そっと手を差しのべて、

できたときには「すごいね」と笑ってあげること。

それが、ひよたくんにとっての“先生”の姿でした。

その日の夜。

お風呂あがりにタオルを巻いたひよたくんは、ヒヨコママに言いました。

「ママ、ボクね……いつか小さな子たちにやさしく教えられる先生になりたいピヨ。」

ヒヨコママは、にっこりと微笑んで、ひよたくんの頭をやさしくなでました。

「ひよたくんなら、きっとなれるわ。だってあなたは、もうみんなの心をあたためる先生みたいだもの。」

それからのひよたくんは、毎日のように小さな子たちに絵本を読んであげたり、

ピヨちゃんに文字を教えたり、森の中で自然のことを話したりするようになりました。

みんなの笑顔を見るたびに、ひよたくんの夢は少しずつ大きくなっていったのです。

「誰かの役に立てるボクでいたいピヨ。」

その言葉は、今もひよたくんの胸の奥で、静かに光り続けています。
おしまい

イラストの説明ピヨ。黒板の前で何かを説明しているひよたくんピヨ!かわいいピヨ!

※タイトルのイラストの説明。
ひよたくんが、小さなヒヨコたちに鬼ごっこを教えているイラスト。ちっちゃなヒヨコたちに優しく教えてあげています。イラストにはひよたくんの夢という文字が書かれています。

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