ある朝のこと
ベルちゃんのカフェから、ふんわりといい香りが漂ってきました。
その香りに誘われて、ピヨちゃんはトコトコと歩いていきました。
「ん〜……いいにおいピヨ……」
眠たそうな目をこすりながらドアを開けると、店内にはやさしい音楽と、湯気の立つカップたち。
カウンターの向こうでは、ベルちゃんが笑顔でお客さんにコーヒーを渡しています。
「どうぞ、今日のおすすめブレンドです♪」
お客さんは一口飲むと、ほっとしたように目を細めました。
「わあ……なんだか、心があたたかくなるね」
その言葉を聞いたピヨちゃんの胸の奥が、ふわっと温かくなりました。
ベルちゃんが気づいて、やさしく声をかけます。
「ピヨちゃん、よかったら一杯飲んでいく?」
ピヨちゃんはこくんとうなずいて、出されたカップを両手でそっと包みました。

ふんわり漂う香りは、朝の光みたいにあたたかくて。
一口飲むと、体の中までぽかぽかして、なんだか眠気もやさしく溶けていきました。
「……おいしいピヨ……」
ベルちゃんはにっこり笑いました。
「よかった♪ コーヒーってね、その人の心までやさしくする力があるのよ。」
ピヨちゃんはカップを見つめながら、静かに思いました。
――こんなふうに、誰かの心をほっとさせる一杯を作れたらすてきピヨ。
――わたしも、そんな魔法みたいなコーヒーを淹れられるようになりたいピヨ。
そのとき、ピヨちゃんの中に小さな光がともりました。
「わたし、コーヒーのバリスタになるピヨ!
みんなの“究極の一杯”をつくるピヨ!」
ベルちゃんは目を丸くしてから、やさしく笑いました。
「とってもすてきな夢だね、ピヨちゃん。
ピヨちゃんのつくるコーヒーは、きっと世界でいちばんあたたかい味になるよ。」
ピヨちゃんは少し照れながら、でもうれしそうに笑いました。
眠たがりのピヨちゃんだけど――
その日から、夢に向かって一歩ずつ歩き始めたのです。

※アイキャッチの説明(視覚障害者向けの説明です。)
コーヒーを飲みながら、ぴかーん!とひらめいたピヨちゃんピヨ☕✨
まんまるおめめで夢を思いついて、ほっぺもほんのり赤いピヨ。
「ピヨちゃんの夢とコーヒー」な、あったか絵本イラストピヨ〜📖💕

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