[ひよこものがたり]言葉の贈り物編第24話「さらりの知恵、べたりの罠」

ひよこものがたり

ある日、ヒヨコ三兄弟は公園で遊んでいました。

ヒヨコくんは親戚のお兄ちゃんのチュンにいちゃんと仲良く話していましたが、ぴもんくんはなんだか不満そう。

「ヒヨコくん、最近チュンにいちゃんとばっかり遊んでるピヨ…ボクとも遊んでほしいピヨ!」

「もちろんピヨ! でも今日はチュンにいちゃんと一緒にお城作りをする約束なんだピヨ」

ぴもんくんの胸の中で、ちくっと小さなトゲが刺さったように感じました。

(ボクだけ仲間外れみたいピヨ…)

その夜、ぴもんくんはヒヨコくんの部屋に行き、むくれて言いました。

「ボク、もっとヒヨコくんと一緒にいたいピヨ。いつもそばにいないとヤだピヨ!」

ヒヨコくんは少し困った顔をして、やさしく言いました。

「ぴもんくん、ボクはぴもんくんのこと大好きピヨ。でもね、“いつも一緒”じゃないと不安になるのは、少し苦しくないピヨ?」

ぴもんくんは首をかしげました。

「苦しい…ピヨ?」

「うん。ボクたちはみんな違うことも楽しめるピヨ。別々の時間があるから、また会ったときに話すことがたくさんできるピヨ。

さらりとつながる関係のほうが、ずっと長く続くピヨ。」

その言葉を聞いて、ぴもんくんは胸の中がふわっと軽くなりました。

次の日、ぴもんくんはチュンにいちゃんにお菓子を分けながら言いました。

「ボク、きのう気づいたピヨ。べったりより、さらりのほうが仲良しが長持ちするピヨ!」

チュンにいちゃんも笑顔でうなずきました。

風が心地よく吹き抜ける中、三羽のヒヨコは軽やかに笑い合いました。

その絆は、べたりではなく、さらりと風のように清らかに――。

📝 ことばのおくりもの

真の絆は、距離を怖れません。

「一緒にいないと不安」という思いは、愛情ではなく依存の影。

賢者はさらりと、信頼の風でつながり、

愚者はべたりと、不安の鎖で縛られます。

愛は、支配でも密着でもなく、

おたがいの自由を尊重する心に宿るのです。

タイトルとURLをコピーしました