ある朝のアニマルランド。
やわらかな風が草をなで、ヒヨコ三兄弟のおうちの前には、小さな花がいくつも咲いていました。
ヒヨコくんは朝から元気いっぱいです。
「今日はみんなで水鉄砲で遊ぶピヨ!」
羽を広げてそう言うと、
ぴもんくんは少し困った顔をしました。
「ごめんピヨ。ボク、ヒヨコママのおやつ作りを手伝う約束してるピヨ」
するとひよたくんも、
「ボクはお花にお水をあげるピヨ。昨日ちょっと元気なかったから気になるピヨ」
と言いました。
ヒヨコくんは少しだけ黙りました。
「そっかピヨ……」
二羽に悪気はありません。
でも、なんだか自分だけ置いていかれたような気がしたのです。
その後、三兄弟はそれぞれのことを始めました。
ぴもんくんはキッチンでヒヨコママのお手伝い。
ひよたくんはじょうろを持ってお花のお世話。
ヒヨコくんは一人で水鉄砲を持って走り回っていました。
けれど、しばらくすると遊ぶ手が止まります。
「ボク、いつも自分のやりたいことを先に決めちゃうピヨね」
ぽつりとつぶやきました。
「もしかして、みんな迷惑だったピヨ?」
その声を聞いて、ぴもんくんとひよたくんが集まってきました。
ぴもんくんはフィッシュアーモンドをぎゅっと抱えながら首を振ります。
「そんなことないピヨ」
「ヒヨコくんがいると楽しいピヨ。ボクはのんびりしてるから、引っぱってくれるの助かるピヨ」
ひよたくんも笑いました。
「ボクは考えるのは好きだけど、勇気を出すのはちょっと苦手ピヨ」
「だからヒヨコくんの思い切りの良さに、何度も助けられてるピヨ」
ヒヨコくんは目をぱちくりさせました。
自分では直したほうがいいと思っていたところ。
でも、それが誰かの力になっていたなんて。
胸の奥がじんわり温かくなりました。
そのとき、キッチンから甘い香りが漂ってきました。
「みんなー、おやつができたわよー」
ヒヨコママが呼んでいます。
三兄弟が集まると、ヒヨコママは優しく言いました。
「あなたたちはね、それぞれ違うからいいのよ」
「無理に同じにならなくてもいいの」
「それぞれが、みんな必要なんだから」
その言葉に、三兄弟は顔を見合わせました。
ぴもんくんは、食べることが大好きな自分を。
ひよたくんは、几帳面で心配性な自分を。
ヒヨコくんは、思いついたらすぐ動いてしまう自分を。
少しだけ好きになれた気がしました。
夕方。
三羽は並んで空を見上げました。
オレンジ色の雲が、いろんな形になって流れています。
ひよたくんが言いました。
「雲もみんな違う形なのに、どれも空にいていいピヨね」
ヒヨコくんは大きくうなずきます。
「ボクたちもそうピヨ!」
「そうピヨ!」
三羽は顔を見合わせて笑いました。
ありのままの自分でいて、
それでも「ここにいていい」と言ってもらえること。
その喜びは、小さな光になって胸の中でずっと輝き続けるのでした。
📝 ことばのおくりもの
誰かに必要とされるために、
自分を削らなくていい。
変わらなくても、飾らなくても、
あなたの“そのまま”が、
誰かの世界を支えていることがある。
気づかないだけで、
あなたはもう、
ちゃんと必要とされている。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
画像。 このイラストは、夕焼け色に染まるあたたかな庭を背景にした、絵本風のやさしい場面です。
手前には3羽の黄色いヒヨコが並んでいます。
* 左のヒヨコはヒヨコくん。ヒヨコくんは首に赤いスカーフを巻いていて、片足を上げながら元気よく手を広げています。とても楽しそうな笑顔です。
* 真ん中のヒヨコはぴもんくん。少しふっくらしていて、水色の魚の形のポーチを身につけています。手には魚の形のお菓子を持ち、嬉しそうにしています。
* 右のヒヨコはひよたくん。ひよたくんはピンク色の水玉模様のスタイをつけ、本を開いて読んでいます。落ち着いた雰囲気です。
3羽とも丸い黒い目と小さなくちばしを持ち、ほっぺがほんのり赤く描かれています。
後ろにはヒヨコママが立っています。ピンク色のエプロンと三角巾を身につけ、焼き菓子が乗ったお皿を優しく運んでいます。子どもたちを見守るような穏やかな表情です。
背景には、小さな黄色い家があります。赤い屋根とハート形の飾りがついた玄関ドアが特徴です。家の周りには色とりどりの花が咲き、庭全体が明るく華やかです。
空はオレンジ色から金色へと変わる夕暮れで、やわらかな光が登場人物たちを包み込んでいます。
上部には大きな木の看板があり、
「みんな違っていいピヨ」
その下に、
「ひよこ三兄弟のものがたり」
と書かれています。
全体として、「それぞれ好きなことや得意なことは違うけれど、みんな大切な存在」という温かいメッセージを感じさせるイラストです。🐥💛 青い建物の前にある青いキャラクターのグループのイラスト

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