アニマルランドのはずれに、小さな丘がありました。
その丘に立つと、森も川も街も、ぜんぶが見渡せます。
ある日、そこにニーナさんが立っていました。
キツネの歌姫、ニーナさん。
今日も忙しく走り回っていたけれど、この丘では足を止めて、空を見上げます。
「ここにね……コンサートホールを建てたいの!」
そばにいたヒヨコくんが、目をまん丸にしました。
「コンサートホールピヨ?」
「そう!」
ニーナさんはにっこり笑います。
「アニマルランド中に、笑顔を届ける場所。
歌を聴いたら、ちょっと元気になれたり、
明日をがんばってみようかなって思える場所!」
ぴもんくんはぽわっとした顔で言いました。
「おなかいっぱいのときみたいに、心もあったかくなるピヨね」
ひよたくんは少し考えてから、静かに聞きました。
「でも……そんな大きな夢、たいへんじゃないですかピヨ?」
ニーナさんは、少しだけ真剣な顔になりました。
「たいへんよ。
お金も、人も、時間も、足りないことだらけ」
でもすぐに、また笑顔に戻ります。
「それでもね、歌でみんなを元気にしたいの!
落ち込んでる日も、ひとりぼっちだと思う夜も、
『大丈夫』って、歌で伝えたいの」
ヒヨコくんは胸を張りました。
「それ、すごくいい夢ピヨ!
ボク、チケットもぎりするピヨ!」
「ボクはおやつ係ピヨ!」とぴもんくん。
「ぼくは静かに聴く人の気持ち、考えますピヨ」とひよたくん。
ニーナさんは、思わず涙ぐみました。
「ありがとう。
夢ってね、ひとりで見ると重たいけど、
誰かと分け合うと、ちゃんと前に進むのよ」
その日から、丘には少しずつ変化が生まれました。
歌の練習をする声。
木を測る音。
笑い声。
まだコンサートホールはありません。
でももう、夢は始まっていました。
歌は、まだ建物がなくても、
もうアニマルランドに届いていたのです。

夢は、最初から大きな形をしていなくていい。
「誰かを元気にしたい」という気持ちがあれば、
それはもう、立派な第一歩。
歌も、想いも、
笑顔はいつだって、
誰かの心に先に届く。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
ニーナさんがホールのステージで楽しそうに歌ってるピヨ🎤
ヒヨコくんたちは前でぴょんぴょん応援、アニマルランドのみんなも笑顔いっぱいピヨ。
「えがおをひらく歌」が会場じゅうに広がってる、きらきらの一枚ピヨ✨

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