[ひよこものがたり]第78話「えがおをひらく歌」

アニマルランドのはずれに、小さな丘がありました。

その丘に立つと、森も川も街も、ぜんぶが見渡せます。

ある日、そこにニーナさんが立っていました。

キツネの歌姫、ニーナさん。

今日も忙しく走り回っていたけれど、この丘では足を止めて、空を見上げます。

「ここにね……コンサートホールを建てたいの!」

そばにいたヒヨコくんが、目をまん丸にしました。

「コンサートホールピヨ?」

「そう!」

ニーナさんはにっこり笑います。

「アニマルランド中に、笑顔を届ける場所。

歌を聴いたら、ちょっと元気になれたり、

明日をがんばってみようかなって思える場所!」

ぴもんくんはぽわっとした顔で言いました。

「おなかいっぱいのときみたいに、心もあったかくなるピヨね」

ひよたくんは少し考えてから、静かに聞きました。

「でも……そんな大きな夢、たいへんじゃないですかピヨ?」

ニーナさんは、少しだけ真剣な顔になりました。

「たいへんよ。

お金も、人も、時間も、足りないことだらけ」

でもすぐに、また笑顔に戻ります。

「それでもね、歌でみんなを元気にしたいの!

落ち込んでる日も、ひとりぼっちだと思う夜も、

『大丈夫』って、歌で伝えたいの」

ヒヨコくんは胸を張りました。

「それ、すごくいい夢ピヨ!

ボク、チケットもぎりするピヨ!」

「ボクはおやつ係ピヨ!」とぴもんくん。

「ぼくは静かに聴く人の気持ち、考えますピヨ」とひよたくん。

ニーナさんは、思わず涙ぐみました。

「ありがとう。

夢ってね、ひとりで見ると重たいけど、

誰かと分け合うと、ちゃんと前に進むのよ」

その日から、丘には少しずつ変化が生まれました。

歌の練習をする声。

木を測る音。

笑い声。

まだコンサートホールはありません。

でももう、夢は始まっていました。

歌は、まだ建物がなくても、

もうアニマルランドに届いていたのです。

イラストの説明ピヨ!ニーナさんが小さな丘に立って、夕焼けの空を見ながら夢を語ってるピヨ。 ヒヨコくん、ぴもんくん、ひよたくんは目をまん丸にして、そばでお話を聞いてるピヨ。 まだホールはないけど、歌と夢が丘いっぱいに広がってる、あったかい一枚ピヨ。

夢は、最初から大きな形をしていなくていい。

「誰かを元気にしたい」という気持ちがあれば、

それはもう、立派な第一歩。

歌も、想いも、

笑顔はいつだって、

誰かの心に先に届く。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

ニーナさんがホールのステージで楽しそうに歌ってるピヨ🎤

ヒヨコくんたちは前でぴょんぴょん応援、アニマルランドのみんなも笑顔いっぱいピヨ。

「えがおをひらく歌」が会場じゅうに広がってる、きらきらの一枚ピヨ✨

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