[ひよこものがたり]第94話「ふわふわおそらのぼうけんピヨ」

ある朝、アニマルランドの丘の上で、ヒヨコ三兄弟は空を見上げていました。

「お空って、ふわふわしてそうだピヨ〜!」
ヒヨコくんが羽をぱたぱた。

「ぼく、お魚の形の雲に乗ってみたいピヨ!」
ぴもんくんは、魚のウエストポーチをぎゅっと抱えます。

ひよたくんは、本を開きながら小さく笑いました。
「空を飛べたら、町のみんなに“おはよう”って言えるピヨね」

するとその時――

ぴゅるるる〜っ!

どこからか、金色の風が吹いてきました。

三兄弟のスカーフやお魚のポーチ、スタイがふわりと浮かび、体までぽわんと軽くなっていきます。

「わわっ!?」
「浮いてるピヨ〜!?」
「ほ、本当に飛んでるピヨ…!」

気づけば三兄弟は、空の上。

綿あめみたいな雲の間を、ぴょこぴょこ飛んでいました。

ヒヨコくんは元気いっぱい前へ進み、
「やっほー! お空って広いピヨー!!」

ぴもんくんは雲をちぎって、もぐもぐ。
「この雲、ちょっと甘い気がするピヨ…♡」

ひよたくんは、遠くの町を見ながら目をきらきら。
「みんな、おもちゃみたいで可愛いピヨ」

すると下の広場で、ベルちゃんとエルちゃんが気づきました。

「あっ!! ヒヨコ三兄弟が飛んでるー!!」
エルちゃんがぴょんぴょん跳ねます。

ベルちゃんはおててを振りながら、
「落ちないように気をつけてね〜!」

リンちゃんも木陰から見上げていました。
「ふふ…まるで絵本の1ページみたい」

その言葉に、三兄弟はますますうれしくなって――

くるくる〜っ!
ぴゅーんっ!

空いっぱいを飛び回ります。

すると突然。

ぶおおおお〜〜〜っ!!

大きな風が吹いてきました。

「きゃあああピヨ〜!!」
「ポーチが飛ぶピヨ〜!!」
「み、みんな手をつなぐピヨ!」

三兄弟はぎゅっと手をつなぎました。

怖かったけれど、誰かのぬくもりがあるだけで、不思議と安心します。

そして――

ぽふん。

やわらかい雲の上に着地。

三兄弟は並んで寝転び、夕焼け色の空を見上げました。

「飛べてよかったピヨ…」
「また飛びたいピヨ…♡」
「うん。みんな一緒ならピヨね」

そのまま三兄弟は、うとうと…。

すやぁ…。

―――――

翌朝。

「……んにゃ?」

ヒヨコくんが目を開けると、そこはいつものお布団の中。

隣では、ぴもんくんが魚のポーチを抱えて寝ています。

ひよたくんの本も、床にぽとり。

「あれ……夢だったピヨ?」

するとぴもんくんが寝言で、

「雲…おいしかったピヨ〜…むにゃ…♡」

ひよたくんも目をこすりながら、くすっと笑いました。

「でもさ…なんだか、本当に飛んだ気がするピヨね」

三兄弟は顔を見合わせて、

「えへへへへ〜っ」

朝のお布団の中で、ころころ笑い転げるのでした。

おしまい。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

空の上に広がる、ふわふわの雲の世界を、ヒヨコ三兄弟が飛んでいます。

左は赤いスカーフのヒヨコくん、中央は青い魚のポーチをつけたぴもんくん、右はピンクの水玉模様のよだれかけをつけたひよたくんです。ひよたくんは本を開いています。

背景には虹色の雲や星が輝き、雲の上にはウサギや魚の姿もあります。下には緑豊かなアニマルランドの街並みが広がり、右下には「アニマルランド」と書かれた案内板があります。

画面上部には大きく「ふわふわ おそらのぼうけん ピヨ」と書かれています。

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