ある朝、アニマルランドの丘の上で、ヒヨコ三兄弟は空を見上げていました。
「お空って、ふわふわしてそうだピヨ〜!」
ヒヨコくんが羽をぱたぱた。
「ぼく、お魚の形の雲に乗ってみたいピヨ!」
ぴもんくんは、魚のウエストポーチをぎゅっと抱えます。
ひよたくんは、本を開きながら小さく笑いました。
「空を飛べたら、町のみんなに“おはよう”って言えるピヨね」
するとその時――
ぴゅるるる〜っ!
どこからか、金色の風が吹いてきました。
三兄弟のスカーフやお魚のポーチ、スタイがふわりと浮かび、体までぽわんと軽くなっていきます。
「わわっ!?」
「浮いてるピヨ〜!?」
「ほ、本当に飛んでるピヨ…!」
気づけば三兄弟は、空の上。
綿あめみたいな雲の間を、ぴょこぴょこ飛んでいました。
ヒヨコくんは元気いっぱい前へ進み、
「やっほー! お空って広いピヨー!!」
ぴもんくんは雲をちぎって、もぐもぐ。
「この雲、ちょっと甘い気がするピヨ…♡」
ひよたくんは、遠くの町を見ながら目をきらきら。
「みんな、おもちゃみたいで可愛いピヨ」
すると下の広場で、ベルちゃんとエルちゃんが気づきました。
「あっ!! ヒヨコ三兄弟が飛んでるー!!」
エルちゃんがぴょんぴょん跳ねます。
ベルちゃんはおててを振りながら、
「落ちないように気をつけてね〜!」
リンちゃんも木陰から見上げていました。
「ふふ…まるで絵本の1ページみたい」
その言葉に、三兄弟はますますうれしくなって――
くるくる〜っ!
ぴゅーんっ!
空いっぱいを飛び回ります。
すると突然。
ぶおおおお〜〜〜っ!!
大きな風が吹いてきました。
「きゃあああピヨ〜!!」
「ポーチが飛ぶピヨ〜!!」
「み、みんな手をつなぐピヨ!」
三兄弟はぎゅっと手をつなぎました。
怖かったけれど、誰かのぬくもりがあるだけで、不思議と安心します。
そして――
ぽふん。
やわらかい雲の上に着地。
三兄弟は並んで寝転び、夕焼け色の空を見上げました。
「飛べてよかったピヨ…」
「また飛びたいピヨ…♡」
「うん。みんな一緒ならピヨね」
そのまま三兄弟は、うとうと…。
すやぁ…。
―――――
翌朝。
「……んにゃ?」
ヒヨコくんが目を開けると、そこはいつものお布団の中。
隣では、ぴもんくんが魚のポーチを抱えて寝ています。
ひよたくんの本も、床にぽとり。
「あれ……夢だったピヨ?」
するとぴもんくんが寝言で、
「雲…おいしかったピヨ〜…むにゃ…♡」
ひよたくんも目をこすりながら、くすっと笑いました。
「でもさ…なんだか、本当に飛んだ気がするピヨね」
三兄弟は顔を見合わせて、
「えへへへへ〜っ」
朝のお布団の中で、ころころ笑い転げるのでした。
おしまい。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
空の上に広がる、ふわふわの雲の世界を、ヒヨコ三兄弟が飛んでいます。
左は赤いスカーフのヒヨコくん、中央は青い魚のポーチをつけたぴもんくん、右はピンクの水玉模様のよだれかけをつけたひよたくんです。ひよたくんは本を開いています。
背景には虹色の雲や星が輝き、雲の上にはウサギや魚の姿もあります。下には緑豊かなアニマルランドの街並みが広がり、右下には「アニマルランド」と書かれた案内板があります。
画面上部には大きく「ふわふわ おそらのぼうけん ピヨ」と書かれています。

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