ある日の午後。
アニマルランドには、ぽかぽかと気持ちのいい風が吹いていました。
「お昼寝の時間よ。」
ヒヨコママが声をかけると、ぴもんくんとひよたくんは、てちてちとお布団へ向かいます。
ところが、ヒヨコくんは胸を張って言いました。
「ボク、もうおにいちゃんだから寝なくていいピヨ!」
ぴもんくんが目を丸くします。
「えー? お昼寝は気持ちいいぴよ。」
ひよたくんも首をかしげました。
「いっぱい遊ぶためにも、お昼寝は大事ピヨ。」
でもヒヨコくんは、ふふんと笑って言います。
「ボクは眠くないピヨ! おにいちゃんは起きてるピヨ!」
ヒヨコママはやさしく微笑みました。
「そうなのね。でも、お昼寝したくなったら、いつでもお布団にくるのよ。」
「当たり前ピヨ!」
ヒヨコくんは得意げにうなずくと、本を読んだり、おもちゃを並べたりして遊び始めました。
しばらくすると……
ヒヨコくんは、そっと目をこすこす。
「……。」
もう一度、こすこす。
眠たいのを見られないように、一生懸命目をこすります。
その様子を見ていたヒヨコママが、やさしく声をかけました。
「あら? 眠いの?」
ヒヨコくんは、ぱちっと目を開いて、あわてて首をぶんぶん振ります。
「ね、眠くないピヨ!」
そう言ったものの、
こっくり。
「まだ……眠く……ない……ピヨ……。」
こっくり。
まぶたは、だんだん重たくなっていきます。
ゆら……
ゆら……
そして――
こてん。
「スピー……スピー……。」
ヒヨコくんは、その場でぐっすり眠ってしまいました。
その寝顔は、とても気持ちよさそうです。
ヒヨコママは、くすっと笑うと、そっと掛け布団をかけてあげました。
やさしく頭をなでながら、小さな声で話しかけます。
「ヒヨコくん。」
「そんなに急いで大人にならなくてもいいのよ。」
「お昼寝ができるのも、今だけの大切な時間。」
「大きくなるのは、ゆっくりでいいんだからね。」
やわらかな風が窓からふわりと吹き込みます。
ぴもんくんも、ひよたくんも、ヒヨコくんも、みんな仲よく夢の中。
ヒヨコママは、三兄弟の寝顔を見つめながら、幸せそうに微笑みました。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
部屋の中で、ヒヨコくんが赤いスカーフをつけて得意そうに立ち、そばでヒヨコママが優しく見守っています。後ろでは、ぴもんくんとひよたくんがそれぞれベッドで気持ちよさそうに眠っています。床には積み木やおもちゃ、絵本があり、あたたかく穏やかな雰囲気のイラストです。

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