寒い冬の朝、ヒヨコママが窓の外を見て、「今日は小春日和みたいね」とつぶやきました。いつもは冷たい風が吹き抜ける庭も、今日は柔らかなお日様の光に包まれています。空には雲一つなく、遠くの木々がぽかぽか陽気に揺れていました。
そんな景色を見たヒヨコ三兄弟も、すぐに興味津々。
「お日様の下で遊びたいピヨ!」とヒヨコくんが元気よく提案します。
「じゃあ、フィッシュアーモンドを持っていくピヨ!」とぴもんくんは張り切ってキッチンに走って行きました。
ひよたくんは冷静に、「外はまだ寒いかもしれないけど、日向ぼっこなら大丈夫そうピヨ」と帽子を手に取ります。ヒヨコママは、「じゃあ、みんなで準備して庭に行きましょう」と優しく微笑みました。
お庭に出た三兄弟は、冷たい空気の中にも暖かいお日様の光を感じて大喜び。
「羽毛がポカポカして気持ちいいピヨ!」とヒヨコくんは元気いっぱいに走り回ります。
ぴもんくんはフィッシュアーモンドを片手に、日差しを浴びながら満足そうに空を見上げました。「これがお日様のごちそうピヨね!」と一人で納得。
ひよたくんは、「太陽の下で読む本もいいピヨね」と、お気に入りの絵本を持って日向に腰を下ろします。時折、ページをめくる音が庭に響き、静かな幸せが広がりました。
その様子を見ていたヒヨコママは、お家に戻って温かいお茶を用意しました。小さなトレイにカップを載せて庭に戻ると、三兄弟にそっと声をかけます。
「寒くなってきたらこれを飲んでね。」
ヒヨコくんは、「ありがとうピヨ!お日様の下で飲むお茶って最高だピヨ!」とカップを持ってニコニコ。ぴもんくんも、「あったかいのが喉にしみるピヨ」と嬉しそうに飲み始めました。ひよたくんは、「お茶を飲みながら本を読むのもいいピヨね」と落ち着いた様子でページをめくります。
そしてしばらくすると、三兄弟の間に静けさが訪れます。
「ああ、なんだか眠たくなってきたピヨ……」と、ぴもんくんがフィッシュアーモンドを手にうとうとし始めました。
それを見たヒヨコくんも、「あくびが止まらないピヨ!」とごろんと横になります。
ひよたくんも、「これは自然の力ピヨ……」と小さな声でつぶやきながら、絵本を抱えたままウトウト。
三兄弟がスヤスヤと眠りにつくと、お日様の光で羽毛がキラキラと輝きます。なんとも心温まる光景に、ヒヨコママは思わず微笑みました。
「この子たちは、本当にお日様みたいな存在ね。」そっと毛布をかけてあげると、優しい風が庭を通り抜けていきました。
午後になっても三兄弟はぐっすり眠ったまま。
その間、ヒヨコママは庭のベンチに腰掛けて、ゆっくりとお茶を飲みます。「こんなに穏やかな日が続けばいいわね」とつぶやくと、小鳥たちが近くの木の枝でさえずり始めました。
夕方になると、三兄弟は目を覚まし、「また日向ぼっこしたいピヨ!」と元気よく話します。その日、家族みんなが穏やかで幸せな時間を過ごしました。
お日様の光に包まれたその日は、三兄弟の心にいつまでも残る思い出となりました。
おしまい。
※タイトルのイラストは、太陽の光に照らされてキラキラ光るヒヨコ三兄弟です。