ある春の日のこと。
ヒヨコ三兄弟は、森の奥にある「おしゃべり石」のところへ遊びに行っていました。
「ねぇねぇ、この石、話しかけると返事してくれるんだってピヨ!」とヒヨコくん。
「ほんとピヨ?ボク、ちょっと聞いてみるピヨ!」とぴもんくんが石の前に立ちました。
「こんにちは、石さん。ボク、お腹がすいたピヨ!」
すると石が小さな声で言いました。
「食いしん坊くん、君は“楽しむこと”の天才だね。」
次にひよたくんが聞きました。
「石さん、ボクってどんなヒヨコピヨ?」
石はにっこりとしたように、静かに返しました。
「君は“優しさの形”を持っているよ。」
最後にヒヨコくんが話しかけました。
「じゃあボクはどんなヒヨコピヨ?」
石は少し間をおいて、こう言いました。
「好奇心いっぱいの君は“出会い”で変わるヒヨコさ。たくさんの誰かと出会ったり経験をしたりするたび、心の形が少しずつ磨かれていく。」
その言葉を聞いた三兄弟は顔を見合わせました。
ぴもんくんがぽつりとつぶやきます。
「出会うって、ただの偶然じゃないピヨね。」
ひよたくんもうなずいて、
「ボクたちが今こうして一緒にいるのも、きっと“心を彫る出会い”なんだピヨ。」
ヒヨコくんはにっこり笑って、コインを小さな羽の上で転がしました。
「じゃあこれから出会うみんなにも、ピカピカに磨いてもらおうピヨ!」
夕日が差し込み、三羽の影がゆっくりと森の小道を照らしていきました。
その光は、まるで“これから出会う未来の形”を映しているようでした。
📝ことばのおくりもの
「出会いこそ、自己を形作る彫刻刀である。」
人は、出会いによって心を削られ、磨かれ、そして美しく形づくられていきます。
嬉しい出会いも、痛みを伴う出会いも、すべてがあなたという作品を彫り上げる一刀です。
どんな出会いも、あなたをより深く、より温かくしてくれる――そのことを忘れずに。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

Comments are closed