[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第53話「ふるえる声のその先ピヨ」

アニマルランドの広場には、色とりどりの旗がひらひら揺れていました。

今日は「みんなの集いの日」。

仲間たちの前で、一人ずつスピーチをすることになっていました。

ヒヨコくんは、ステージの横で小さく丸くなっていました。

(スピーチなんて、聞くだけで足がふるえるピヨ…)

(言葉につまったらどうしようピヨ)

(失敗したら、みんなにどう思われるピヨ…)

胸の奥が、ぎゅっと苦しくなります。

「ヒヨコくん、次ピヨ」

名前を呼ばれた瞬間、心臓がどくんと跳ねました。

でも、ヒヨコくんは一歩、前に出ます。

(逃げたいピヨ…でも)

(やってみたい気持ちも、確かにあるピヨ)

ステージの上から見える景色は、思ったよりも広くて、

仲間たちの顔が、ずらりと並んでいました。

よいちゃんは、やさしくほほえみ、

すーさんは、大きな体を揺らしながらうなずき、

リンちゃんは腕を組んで、じっと見つめています。

ヒヨコくんは、マイクをぎゅっと握りました。

「えっと……」

声が、少し震えます。

「ボクは……人前で話すのが、すごく苦手ピヨ」

広場が、静かになりました。

「うまく話せる自信もないし、

途中で言葉が出なくなるかもしれないピヨ」

一度、深呼吸。

「でも……今日は、それでも立ってみたかったピヨ」

その瞬間、ヒヨコくんの胸の中で、なにかがほどけました。

「失敗するかもしれないけど、

何もしないで帰るより、

チャレンジした自分でいたかったピヨ」

言葉が、少しずつ、でも確かに前に進んでいきます。

「もし失敗しても、

それはボクが勇気を出した証だと思うピヨ」

最後の一言を言い終えたとき、

ヒヨコくんの声は、まだ震えていました。

でも、逃げませんでした。

一拍おいて、

ぱち、ぱち、ぱち……。

やがて、広場いっぱいに拍手が広がります。

「よく言ったピヨ!」

「勇気、もらったピヨ!」

ヒヨコくんの目が、じんわりと熱くなりました。

(完璧じゃなかったけど…)

(ちゃんと、立てたピヨ)

ステージを降りたヒヨコくんは、

少し照れくさそうに、でも誇らしそうに笑っていました。

📝 ことばのおくりもの

失敗するかもしれない場所に立つこと。

それは、とても勇気のいることです。

言葉につまっても、声が震えても、

「やってみよう」と前に出たその瞬間、

あなたはもう、何もしなかった昨日の自分を超えています。

失敗は、弱さではありません。

それは、挑戦した人だけが持てる、

大切な勲章です。

どうか忘れないで。

チャレンジしたあなたは、

もう十分、立派です。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

ヒヨコくんがおっきなステージで、マイクをぎゅっとにぎってるピヨ…!
お目目がくりくり大きくなって、とってもかわいいピヨ〜✨

まわりには、よいちゃんやリンにゃん、すーさんが見守ってるピヨ。
みんなやさしいお顔で応援してるピヨ〜!

カラフルな旗がひらひらして、お花もいっぱいで、
あったかくてやさしい広場のふんいきピヨ🌼

ドキドキしながらも、がんばってお話してるヒヨコくんが、
とってもキラキラしてるピヨ〜🐥💛

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