[ひよこものがたり]言葉の贈り物編第6話「正しさの剣」

ある日のこと。

ヒヨコ三兄弟は森の広場で、仲間たちと遊んでいました。

すると、小さなすれ違いから、ぴもんくんとエルちゃんが言い合いになってしまいました。

「それはボクのフィッシュアーモンドだピヨ!」とぴもんくん。

「ちがうよ!落ちていたのを拾ったのは私だよ!」とエルちゃん。

どちらも間違ってはいません。拾ったのはエルちゃん、でも元々ぴもんくんのものだったのです。

ヒヨコくんはその様子を見て、「ボクが決めるピヨ!」と胸を張りました。

「ぴもんくんのものなんだから、返すのが正しいピヨ!」

堂々と言い切ったヒヨコくんの言葉に、エルちゃんは涙をこぼして走り去ってしまいました。

残された広場には、しんとした空気が流れました。

「ヒヨコくん…正しいことを言ったはずなのに、なんだか胸が痛いピヨ」

そうつぶやいたのは、ひよたくんでした。

その夜。

ヒヨコ三兄弟は星を見上げながら話し合いました。

「正しいことを言えば、みんな幸せになると思ったピヨ」

「でも、エルちゃんは傷ついたピヨ」

「正しさを振りかざすと、相手を斬る剣みたいになってしまうのかもしれないピヨ」

ひよたくんは静かに言いました。

「本当に大切なのは、正しさよりも、相手を思いやる気持ちなんだと思うピヨ。

正しさを剣にするんじゃなくて、心をつなぐ橋にできたら…きっとみんな笑顔になれるピヨ」

次の日、三兄弟はエルちゃんに会いに行きました。

「昨日はごめんピヨ。ボク、エルちゃんを傷つけちゃったピヨ」

エルちゃんは涙ぐみながらも、小さく笑いました。

「ありがとう。私も怒ってしまってごめんね」

その瞬間、三兄弟とエルちゃんの間に、柔らかくて温かい空気が戻ってきたのでした。

📝ことばのおくりもの

正しさは剣にもなり、橋にもなります。

人を斬れば憎しみを生み、人を思えば心をつなぐ。

正しさをどう使うかで、未来は変わるのです。

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