ある日、ぴもんくんは鏡をじーっと見つめていました。
「なんだか最近、前よりふっくらしてるピヨ……」
鏡の中の自分を見て、思わずフィッシュアーモンドをかじる手が止まります。
「ボク、もっとシュッとしたいピヨ! よし、ダイエットするピヨ!」
突然の宣言に、近くにいたヒヨコくんとひよたくんはびっくり。
「ぴもんくんがダイエット? 本気ピヨ?」
「うん、ボクやせるピヨ! これからフィッシュアーモンドは1日1かじりだけにするピヨ!」
ぴもんくんのダイエット計画は、まず朝のランニングから始まりました。
「1、2、1、2……ピヨ……ピヨ……」
ぴもんくんは庭をでぢでぢ走り回りますが、数分後には息を切らしてへたり込みます。
「ぴもんくん、大丈夫ピヨ?」と心配するひよたくん。
「だ、大丈夫ピヨ……ちょっと休憩するピヨ……」
その間に、ヒヨコくんがさりげなくフィッシュアーモンドの袋を見つけました。
「ぴもんくん、これ全部食べちゃうから太るんじゃないピヨ?」
「そ、それは……別腹ピヨ!」
3時になると、ヒヨコママが焼きたてのクッキーを持ってきました。
「みんなでおやつにしましょう!」
ぴもんくんはクッキーの香りに釘付けです。
「おいしそうピヨ……でも、ボクはダイエット中ピヨ……!」
ヒヨコくんがにやりと笑って、「食べないなんてぴもんくんらしくないピヨ!」と煽ります。
「ダメピヨ! ボクはダイエットをしてるピヨ!」
ぴもんくんは目をぎゅっと閉じて誘惑に耐えますが、その姿を見たひよたくんが一言。
「ぴもんくんがクッキーを食べないなんて……なんだか寂しいピヨ。」
「……ボク、ちょっとだけならいいピヨ?」とぴもんくんは結局1枚、いや2枚……気づけば5枚のクッキーを平らげていました。
夕方、ぴもんくんはお腹をさすりながら、「ボク、これじゃ全然ダイエットにならないピヨ……」としょんぼり。
「ぴもんくんはおいしい物を食べてる時が一番輝いてるピヨ!」とヒヨコくんが言うと、ひよたくんも「無理にやせなくても、ぴもんくんらしくいればいいピヨ!」と励まします。
「でも、ボク……もうちょっと健康的になりたいピヨ……」
その言葉を聞いたヒヨコくんが名案を思いつきました。「じゃあ、ボクたちと一緒に運動するピヨ! その代わり、おやつはそのままでOKピヨ!」
「本当ピヨ? それならできるピヨ!」
次の日、三兄弟でジャンプをしたり追いかけっこをしたり、みんなで楽しく運動をしました。ぴもんくんは、「ボク、これなら続けられるピヨ!」と笑顔で動き回ります。
そして、おやつの時間にはフィッシュアーモンドをかじりながら、「おいしいピヨ……これがあるから運動もがんばれるピヨ!」
ぴもんくんは、無理せずに少しずつ健康的になる方法を見つけたのでした。
「ダイエットって難しいピヨ……でも、ボクはボクらしく、おいしい物を楽しむのが一番ピヨ!」
三兄弟は笑い合いながら、今日も元気に庭で遊びます。
おしまい。
※タイトルのイラストには、鏡に映ったふっくらした自分を見ているぴもんくんが描かれています。可愛い!