ある日、すーさんが麦ジュースを飲みながらつぶやきました。
「そろそろ漬物の季節だぞう~。おいしいたくあん、食べたいぞう~」
その声に目を輝かせたのは、もちろんこの3羽!
「ボク、たくあん見たことはあるけど、どうやって作るのか知らないピヨ!」とひよたくん。
「えっ?たくあんって、黄色くて…ぽりぽりしてて…ごはんに合うやつピヨよね…?」はやくもおなかがグーっと鳴るぴもんくん。
「知ってるピヨ!あれは干した大根を…えーっと……うーんと……」
知ったかぶりをしたヒヨコくんに、ぴもんくんとひよたくんがじーっと見つめます。
ヒヨコくんはくちばしをむにゅむびゅさせて黙ってしまいます。
するとすーさんがにっこり笑って、
「なら、たくあん作り体験に行くぞう!面白くてうまいアヒルの店長が教えてくれるぞう~!」
というわけで、みんなでてちてち、アヒルの店「ポリポリファーム」へ出発!
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たくあん道場、開幕!
お店に着くと、白いエプロン姿のアヒルの店長さんがすでにぽりぽりとたくあんをつまんでいます。
「おう、いらっしゃい!たくあんを愛して40年、漬物界のぽりぽり職人、アヒルだよ!」
「ボクたち、がんばりますピヨ!!」とやる気満々のヒヨコ三兄弟。
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第1ステップ:大根を干す!
まずは、大根を畑から収穫!
「わー!この大根、ひんやりしててずっしり重いピヨ~!」とぴもんくん。
アヒル店長:「干すには、しっかり水気を抜かなきゃダメ!
ていねいに洗って水気を拭ってからロープで吊るして風通しのいいところで10日間干すんだよ!」
ヒヨコくん:「えいっ!ぶんぶん振り回して干すピヨ!」
「ぶんぶんは違うぞう~!」
すーさんが慌てて止めるも時すでに遅し、
ヒヨコくんの大根が飛んでいって……アヒル店長の頭にヒット!
「ぽりっ……ゴッ……あいったぁ!!」
店長さん、頭に大根乗せたままポリポリ。
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第2ステップ:ぬか漬け準備!
干し終えた大根は、しんなりして色も少しあめ色に。
ひよたくん:「ほんとに、これがたくあんになるピヨ……?」
アヒル店長:「ここからが勝負!ぬか・塩・ザラメ・昆布・とうがらしを混ぜた特製漬け床に、しっかり大根を埋めていくよ!」
ぴもんくん:「うわあ~いいにおいピヨ……ちょっと味見……」
「まだ食べちゃダメピヨー!!」ひよたくんがつっこみます。
ヒヨコくんは大根を丁寧に並べていき、
「これはおいしいたくあんになりそうピヨ……!」
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第3ステップ:重しをのせよう!
重しの石をのせる大仕事は、すーさんの出番!
「いくぞう~!」と気合いを入れた瞬間――
バリッ!!
「おしりが割れたぞう~~!!」
なんと、すーさんのズボンが裂けた音がしました!
ヒヨコ三兄弟は笑いをこらえきれずに大爆笑!
「すーさん、おしり見えてるピヨー!!」
「すーさんのおしりがスースーするピヨー!!」
「たくあんよりおしりのインパクトがすごいピヨ!」
すーさんは、赤面しながら予備のズボンに着替えに行きました。
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たくあん、じっくり熟成中!
漬けてから約1か月後――
重しでぎゅーっと水が出て、大根はしっとりと柔らかく、香りもなじんできました。
アヒル店長:「発酵の魔法で、ぽりぽりのあの食感と、やさしい甘さが生まれるんだ。すごいだろ?」
ひよたくん:「ほんとに、色もきれいな黄色になってきたピヨ……」
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たくあん完成!ぽりぽり表彰式!
ついに、たくあん完成のとき!
アヒル店長がぽりっと一口食べて、にっこり!
「これは……ぽりぽりレベル100点満点だよ!合格だ!」
ヒヨコ三兄弟:「やった~~~ピヨ!!」
すーさん:「うまいぞう~!苦労が報われたぞう~~!!」
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こうして、笑いあり、ズボン裂け事件ありのたくあん作り体験は大成功!
アヒル店長は、今でもヒヨコ三兄弟と一緒に漬けたたくあんをぽりぽりしながら、お店で語っているらしいピヨ。
おしまい!