ある春の午後。
やわらかい風がふわっと吹いて、ツツジの花壇が色とりどりにゆれていました。
その前に、小さな後ろ姿がひとつ。
「……あれ?ピヨちゃんだピヨ」
ヒヨコくんが首をかしげます。
「お花見してるのかなピヨ?」
ひよたくんが静かに言いました。
「いいなぁピヨ〜!ボクも見るピヨ!」
ぴもんくんは、てちてちと走り出します。
三兄弟はそろって、ピヨちゃんのもとへ向かいました。
――てちてち、てちてち。
「ピヨちゃん、なに見てるピヨ〜?」
そう声をかけたその瞬間。
「ちゅー……ちゅー……ピヨ♪」
「!?!?!?!?」
三兄弟は目をまんまるにしました。

ピヨちゃんは、ツツジの花にくちばしを入れて、
お花のミツをちゅーちゅー吸っていたのです。
「ええええええ!?ピヨ!?」
「それ、食べてるピヨ!?」
「お花って食べるものだったピヨ!?」
三兄弟はびっくりして、ぴょんぴょん跳ねました。
ピヨちゃんはくるっと振り返り、にこっと笑います。
「お花のミツ、おいしいピヨ〜」
「ほんとピヨ!?甘いピヨ!?」
ぴもんくんが目をキラキラさせます。
「こうやって吸うピヨ」
ピヨちゃんは、やさしくやり方を教えてくれました。
「くちばしを、そーっと入れて……ちゅーってするピヨ」
三兄弟は顔を見合わせて――
「やるピヨ!」
「やってみるピヨ!」
「ボクもピヨ!!」
それぞれツツジの花の前に立ち、そーっとくちばしを近づけます。
「……ちゅー……」
次の瞬間。
「!!!!!!」
「甘いピヨーー!!!」
「ジュースみたいピヨ!!」
「すごいピヨ!自然のおやつピヨ!!」
三兄弟は大はしゃぎ。
ピヨちゃんもくすっと笑って、また一緒にちゅーっとひとくち。

春の花壇には、
ちゅーちゅーという小さな音と、楽しそうな笑い声が広がっていきました。
しばらくして――
ひよたくんがぽつりと言いました。
「でもピヨ……お花さん、大丈夫ピヨかな?」
その言葉に、みんなハッとします。
ピヨちゃんは少し考えてから、やさしく言いました。
「たくさん吸いすぎたら、お花さんが困っちゃうピヨ」
ヒヨコくんがうなずきます。
「少しだけにするピヨ」
ぴもんくんも、名残惜しそうにしながら言いました。
「また来年のお楽しみにするピヨ……!」
みんなで最後に、ツツジの花にぺこりとおじぎ。
「ありがとうピヨ」
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
ツツジのおはなピンクできれいピヨ〜🌸
ピヨちゃんがちゅーちゅーしてるピヨ♪
ヒヨコくんたち、びっくりおめめで見てるピヨ!
ぴもんくん、わくわくしてるピヨ〜
ひよたくんは本もってるピヨ📖
みんなほっぺぽかぽか、にこにこピヨ〜😊
あまいひみつ、見つけたピヨ〜✨

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