[ひよこものがたり]第91話「エルちゃんの夢は、ポテト料理図鑑」

ある日の午後。

アニマルランドの図書館で、白いうさぎのエルちゃんは、本を何冊も机の上に積み上げていました。

「エルちゃん、そんなにたくさん読んでるの?」

ヒヨコくんが目を丸くします。

エルちゃんは、にっこり笑って言いました。

「夢があるの。」

「夢?」

ぴもんくんが首をかしげます。

「世界中のおいしいポテト料理を食べて、『ポテト料理図鑑』を作ること!」

「わあー!すごいピヨ!」

「おいしそうぴよ!」

ひよたくんも興味津々です。

「でもね、すぐに世界中を旅することはできないでしょう?」

エルちゃんは一冊の本を開きました。

「だからまずは、本で調べるの。」

ページには、焼いたもの、揚げたもの、ゆでたもの、つぶしたもの、細く切ったものや丸い形のものなど、さまざまなポテト料理が描かれていました。

「じゃがいもって、こんなにいろんな食べ方があるんだ!」

ヒヨコくんは目をキラキラさせます。

その日から、エルちゃんの図鑑作りが始まりました。

図書館で本を読んで調べたり。

旅をしたことがあるアニマルたちに話を聞いたり。

「外はカリッとしていて、中はホクホクだったよ。」

「ふんわりやさしい味だったよ。」

「香ばしい香りが忘れられないなあ。」

そんな話を、一つひとつノートに書き留めていきます。

そして休日になると──。

「今日は、この料理を作ってみよう!」

エプロンをつけて、キッチンへ。

本やメモを見ながら、何度も味を確かめます。

「もう少し焼いたら、おいしくなりそう。」

「こっちは、やわらかく仕上がった!」

もちろん、失敗する日もありました。

少し焦がしてしまったり。

思った食感にならなかったり。

それでもエルちゃんは笑顔です。

「失敗も、図鑑に書いておこう。次はもっとおいしく作れるもん。」

成功した料理も、失敗した料理も、作り方や感想、小さな発見まで丁寧に書き込んでいきました。

ある日、ヒヨコ三兄弟が、少しずつ厚くなってきた図鑑を見せてもらいました。

「すごいピヨ!」

「見てるだけでおなかがすくぴよ!」

「まだまだ途中なんだよ。」

エルちゃんは、大切そうにページをめくります。

最後のページには、まだ何も書かれていない真っ白なページ。

そこには、小さな字でこう書かれていました。

『これから出会う、おいしいポテト料理のために。』

夢は、すぐには叶わなくても大丈夫。

本を読んで。

誰かの話を聞いて。

実際に作ってみて。

その一歩一歩が、夢へ続く道になる。

エルちゃんの『ポテト料理図鑑』は、今日も少しずつページを増やしていくのでした。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

このイラストは、絵本のような温かい雰囲気の図書室で、白いうさぎのエルちゃんが夢に向かって勉強している場面です。

エルちゃんは机に向かい、ポテト料理の図鑑を一生懸命に描いています。周りにはヒヨコ三兄弟が集まり、興味津々で図鑑をのぞき込んでいます。

机の上には、焼く・揚げる・つぶす・丸く切るなど、いろいろな調理方法をまとめたスケッチブックが開かれています。周りにはポテト料理や世界の料理に関する本がたくさん積まれ、地球儀やメモ帳も置かれています。

上には**「エルちゃんの夢は、ポテト料理図鑑」**という大きな文字があり、エルちゃんが世界中のおいしいポテト料理を集めて図鑑を作りたいという夢を表した、明るくわくわくするイラストです。

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