[ひよこものがたり]ことばのおくりもの第70話『信じて見守るひかり』

やさしい朝のひかりが、アニマルランドの草原を包んでいました。

ヒヨコくん、ぴもんくん、ひよたくんは、小さな丘のてっぺんで何をして遊ぶか相談しています。

「今日はボクが考えた新しい遊びをやるピヨ!」

ヒヨコくんが胸を張ると、ぴもんくんはうんうんとうなずき、ひよたくんはニコニコしながら空を見上げました。

でも、その様子を見ていた大人たちは心配になってしまいました。

「危なくないかしら」「失敗したらどうするの」「ちゃんと決めた通りにやってね」

気づけば、遊び方も、順番も、時間も、ぜんぶ決められてしまいました。

ヒヨコたちは言われた通りに動きます。

間違えないように、怒られないように。

けれど、不思議なことに、さっきまでキラキラしていた目は、少しずつ元気をなくしていきました。

「なんだか…楽しくないピヨ」

ぽつりと、ぴもんくんが言いました。

ひよたくんも、小さくうなずきます。

そのとき、ヒヨコママがそっと近づいてきました。

三羽の様子を見て、しばらく何も言わず、ただ一緒にしゃがみます。

「あなたたち、どうしたいの?」

その一言に、ヒヨコたちははっとしました。

「失敗してもいいから、やってみたいピヨ」

「自分たちで考えたいピヨ」

ヒヨコママは、にっこり笑いました。

「そう。あなたたちなら大丈夫。ママは信じてるよ」

大人たちは少し驚きましたが、ヒヨコママの言葉にうなずき、一歩下がりました。

するとどうでしょう。

ヒヨコたちは転んだり、間違えたりしながらも、声をあげて笑い、助け合い、また立ち上がりました。

その姿は、さっきよりずっとたくましく、のびのびしていました。

夕方。

遊び終えた三羽は、少し誇らしげです。

「失敗したけど、楽しかったピヨ!」

「自分で決めたから、ちゃんと覚えてるピヨ」

ヒヨコママは、その言葉を聞いて、胸の奥があたたかくなりました。

守ることより、管理することより、

信じて見守ることの大切さを、改めて感じたのです。

📝ことばのおくりもの

信頼の反対は、放任ではなく「管理」。

管理は安心を与えるようでいて、心の芽を小さくしてしまうことがあります。

子どもに本当に必要なのは、完璧な道筋ではなく、

「あなたなら大丈夫」と信じてもらえるまなざし。

ありのままを愛し、信頼を示すことが、

その子が自分の足で歩き出す力になります。

※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

やわらかな朝の光が差し込む丘で、ヒヨコ三兄弟とヒヨコママが笑顔で見つめ合っています。周りには動物たちが優しく見守り、上部には「信じて見守るひかり」のタイトルが描かれた、愛情とぬくもりが伝わる絵本風のイラストです。

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