[ひよこものがたり]第98話「お空に向かってジャンプピヨ!」

ある晴れた日の午後。

やわらかい風がふく野原で、ヒヨコ三兄弟はハードルを並べていました。

「今日はハードルとび大会ピヨ!」

ヒヨコくんが元気いっぱいに宣言します。

「いっぱい跳んだらおなかすくピヨ〜!」

ぴもんくんはすでに食べることを考えています。

ひよたくんは静かにうなずきました。

「いい運動になるピヨ。フォームも意識するピヨ」

🏃‍♂️ハードルとび大会スタート!

――そしてスタート。

「よーい、どんピヨ!」

ぴょん!
ぴょん!
ぴょーん!

低いハードルは三人とも軽やかにクリア。

「簡単ピヨ!」

ヒヨコくんは得意げです。

次は少し高めのハードル。

ぴょん!
ぴょん!

ヒヨコくんとひよたくんはスムーズにクリア。

でも――

「むむっ……ピヨ……」

ぴもんくんはおなかがつかえそうになり、着地がちょっとドスン。

「今、重力強めだったピヨ?」

ひよたくんが冷静にツッコミます。

「気のせいピヨ!」

ぴもんくんはそっとおなかを引っ込めました。

⬆️どんどん高くなるハードル

さらに高さアップ。

ぴょん!
ぴょん!

「いい感じピヨ!」

「リズムが大事ピヨ!」

だんだん息も上がってきます。

そして――

最後に現れたのは、一番高いハードル。

「これがラストピヨ……!」

ヒヨコくんはじっと見つめます。

「いけるピヨ。勢いをつければ……」

ひよたくんが分析します。

ぴもんくんは見上げて、ぽつり。

「……高いピヨ」

🐥ヒヨコくん、挑戦!

ヒヨコくんが前に出ました。

「ボクがいくピヨ!」

ぐっと地面を踏みしめて――

「いくピヨーーー!!」

ぴょーーーーーん……

(とんでる……! いける……!)

――コツン!

「あいたたたピヨ〜!!」

ハードルにぶつかって、ころんと転んでしまいました。

「大丈夫ピヨ!?」

ひよたくんが駆け寄ります。

ヒヨコくんは少し悔しそうに立ち上がりました。

「くやしいピヨ……あとちょっとだったのに……」

🐥ぴもんくんの作戦

その様子を見て、ぴもんくんはハードルを見上げます。

上を見る。

横を見る。

そして――下を見る。

「うーん……」

少し考えて、またおなかを見る。

「跳ぶべきか……でもこれは……」

しばらく悩んだあと――

すっ……

ぴもんくんは、何食わぬ顔でハードルの下をくぐりました。

「はい、ゴールピヨ」

一瞬、風が止まったような沈黙。

「……ピヨ?」

ヒヨコくんが固まります。

「いやいやいやピヨ!?」

ひよたくんがすかさず叫びました。

「それ“とんで”ないピヨ!!」

ぴもんくんは、ちょっと照れながらもじもじ。

「なにピヨ? くぐるのにちょうどいい高さだったピヨ」

「ちょうどいいの基準がおかしいピヨ!」

ヒヨコくんがツッコミます。

「競技としては完全にアウトピヨ」

ぴもんくんは小さく反論。

「誰もそんなルール作ってないピヨ?」

三人は顔を見合わせて――

ぷっ。

「……あははははピヨ!」

✨ひよたくんのお手本

そして、ひよたくんが一歩前に出ました。

「ボクもとんで見せるピヨ」

ひよたくんは、そっとピンクのスタイをひるがえします。

風を受けて、まるでマントのようにふわりと広がりました。

「……いくピヨ」

静かに助走をつけて――

タッ。

ぴょん――――っ!!

スタイがふわりと舞い、
ひよたくんの体は軽やかに空を切ります。

すっ……

音もなく、美しく着地。

見事にハードルを飛び越えました。

一瞬の静寂。

「……かっこよすぎるピヨ!!」

ヒヨコくんが目をキラキラさせます。

「今のは反則レベルピヨ……!」

ぴもんくんもぽかん。

ひよたくんは、少しだけ照れながら言いました。

「基本に忠実に跳んでみたピヨ」

🌈もう一度、挑戦!

ヒヨコくんはぐっと拳をにぎります。

「ボクももう一回やるピヨ!」

ぴもんくんも元気よく。

「ボクも次は……できれば跳ぶピヨ!」

三人はもう一度スタートラインに立ちました。

さっきよりも少しだけ前を向いて――

野原には、また楽しそうな声がひびいていきました。


🖼️アイキャッチの代替テキスト

青空の下、ヒヨコ三兄弟が野原でハードル跳びをしています。

中央のヒヨコくんは赤いスカーフを巻き、大きくジャンプしています。左のぴもんくんは青い魚のポーチ、右のひよたくんはピンクの水玉模様のよだれかけをつけています。

3羽とも両翼を広げ、楽しそうにハードルを飛び越えています。周囲には緑の草原や木々が広がっています。

上部には、「お空に向かってジャンプピヨ!」と書かれています。

🐥🌿☀️

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