[ひよこものがたり]第53話『ヒヨコ三兄弟とクンクンハーブ会ピヨ!』

ひよこものがたり

ある晴れた午後、ヒヨコ三兄弟は、よいちゃんがひらいてくれた「クンクンハーブ会」にやってきました。

「今日は色んなハーブの香りを楽しむ会よ~。それぞれの好みを見つけてみてね♪」

海辺からやってきたよいちゃんが、にっこりと笑ってテーブルを見せてくれます。

テーブルの上には、色とりどりのハーブがずらり!

ローズマリー、タイム、ミント、バジル、レモングラス、カモミール、ラベンダー…などなど、見たこともない葉っぱたちがたくさん並んでいます。

「ボク、いちばんにいくピヨ!」

と、ヒヨコくんが鼻をフンフンさせながら、まずはミントに顔を近づけます。

「うわぁ〜!スースーしてて、鼻がびっくりするピヨ!でも…しゃっきりして冒険にぴったりかもピヨ!」

ぴもんくんは、もくもくと順番に全部のハーブを嗅ぎはじめます。

「うーん…ミントは冷たすぎるピヨ〜…レモングラスは…あ、ちょっとすっぱいピヨ…」

しばらくして、ふんわり甘い香りのカモミールをクンクン。

「これは…まるでお昼寝の毛布みたいな香りピヨ。気持ちがほわーんとするピヨ〜…好きピヨ…」

ひよたくんは、きちんと順番に一枚ずつ葉っぱを手に取り、香りを確認していきます。

「バジルは元気が出る感じピヨ…でも、ボクはラベンダーが好きかもピヨ。なんだか落ち着くし、きれいな香りピヨ」

三兄弟は、それぞれに好きな香りを見つけて大はしゃぎ!

イラストの説明ピヨ!よいちゃんが用意してくれたの上に並べられたハーブをクンクンしているひよこ3兄弟ピヨ!

でもそのうち――

「ねぇ、ぴもんくん…このハーブ、どんな匂いだったピヨ?」「えっ、わからないピヨ…」「あれ?どれがどれだか混ざってきたピヨ〜!」

「ボクも!」「ボクもだピヨ!」「わからないピヨ〜!!!」

三羽は、鼻をヒクヒクさせながらぐるぐる回って、ついにお互いの頭の上まで嗅ぎだします。

「ぴもんくんの頭が、レモングラスみたいな匂いがするピヨ!?」「ひよたくんの羽は、ラベンダーピヨ!?」「ヒヨコくんの足は…ローズマリー!?」「えええっ!?!?」

三羽はくるくる回って「もう、匂いがわからないピヨーーー!!!」と大騒ぎ。

その様子を見ていたよいちゃんは、くすくす笑いながらこう言いました。

「ふふふ、たくさん嗅ぎすぎたら、鼻もびっくりしちゃうわね~。じゃあ、お鼻休憩に、ハーブを使ったごはんを作ってあげるわ♪」

そう言って、よいちゃんはキッチンへ。しばらくすると、いい匂いがふんわり流れてきました。

「じゃ~ん!ローズマリーとお肉のソテーと、バジルとトマトのサラダ、カモミールのハーブティーもあるわよ~♪」

三羽の目がキラキラ!

「うわぁ〜!すっごくいい匂いピヨ〜!」「おいしそうピヨ!」「よいちゃん天才ピヨ!」

三羽はお皿に夢中。香りでぐるぐるになっていた頭も、すっかりすっきり!

イラストの説明ピヨ!ローズマリーとお肉のソテーと、バジルとトマトのサラダ、カモミールのハーブティーを見て、身がキラッキラに輝いているヒヨコ三兄弟ピヨ✨

「やっぱり、ハーブってすごいピヨ…」「香りでも楽しめて、食べてもおいしいピヨ…」「ありがとう、よいちゃんピヨ!」

よいちゃんはにっこりして言いました。

「どういたしまして♪ハーブって、料理にも気分にも魔法みたいな力があるのよ~」

こうして、ヒヨコ三兄弟の“クンクンハーブ会”は、大さわぎと、そして最高においしいしあわせで幕を閉じました。

おしまいピヨ!

タイトルのイラストの説明。ヒヨコ三兄弟がハーブの匂いをくんくんしてうっとりしていて、うしろに笑顔のよいちゃんが見守っている優しい雰囲気のイラストです。いや、ヒヨコくんとぴもんくんはコインとお魚クンクンしてるぞ?

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