今日は、空が高くて気持ちのいい秋の日。
ヒヨコ三兄弟は、森のはずれにある「おいも山」にやってきました。
「いっぱいほるピヨ!」
ヒヨコくんは、やる気まんまん。
「おいも、おいも、でてこいピヨ〜」
ぴもんくんは歌をうたいながら、ふっくらおなかで土をぽふぽふ。
「おいもさん、こんにちはピヨ」
ひよたくんは、ていねいに葉っぱをどけて土をほっていきます。
しばらくすると、土のなかから
ごろりん!
ほっくり丸いおいもたちが、顔を出しました。
「わあ〜!いっぱいとれたピヨー!」
三羽は大よろこび。
そこへ、「焼きいもなら手伝おうか?」と、やさしい声。
「パパーーー!!」
ヒヨコパパが、大きな落ち葉をかき集め、火のつけ方を教えてくれました。
「こうして火をつけて、じっくり焼くんだよ。ほら、いい香りがしてきた!」
火のまわりでは、ヒヨコ三兄弟がパチパチと音を聞きながら、目をきらきら。
やがて――
「できたピヨーーー!!」
ヒヨコパパが焼いてくれたおいもは、表面がカリッと、中はホクホク!
「ホクホクであま〜いピヨ〜♪」
「おくちのなかで、とろけるピヨ〜♪」
「このやきいも、宝物みたいピヨ〜♪」
三羽は大よろこびで、ほっぺをふくらませながら、夢中でもぐもぐ。
ヒヨコパパも「おいしいね、こりゃ」とにっこり。
そしておなかがいっぱいになると、パパは「じゃあ、そろそろ行くね」とおしごとへ。
「またやこうね」と約束をしたパパを見送り、三羽は草の上でごろ〜ん。
「しあわせピヨ〜…」
「おいもってすごいピヨ…」
「なんだか、ねむたくなってきたピヨ〜」
三羽はとっても満足そうにくつろいでいました。
そのとき――
「ピーっ!」
とつぜん、しずかな空気をやぶる、へんな音。
しーん……
「なにピヨ?」ヒヨコくんが目をまるくします。
「なんの音ピヨ……?」ひよたくんが首をかしげます。
そして、ヒヨコくんがくんくん……
「くちゃいピヨーー!!」
ぴもんくんが、もじもじ。
「ぼ、ボク……ごめんピヨ……でちゃったピヨ……」
その姿に、ヒヨコくんとひよたくんは……
「キャッキャッキャッ!!!」
「ぴもんくん、最高ピヨー!!」
大笑いしたそのとたん!
「ピーっ!」
「ピーっ!」
ヒヨコくんとひよたくんからも、おならが!
「あっ……ご、ごめんピヨ!」
「ボクも……ごめんピヨ〜!」
三羽はころころ転がって、わらい転げながら言いあいます。
「ごめんピヨー!!」
「でも、おならって、おもしろいピヨー!!」
「いっぱいたべたから、しょうがないピヨ〜!!
秋の森に、三羽の笑い声と、ちょっぴりやきいもなかおりが、ぽわんとただよっていきました。
おしまい。