ある日の午後。
アニマルランドに、いつもとはちょっと違う体験ができる場所がやってきました。
それは――無重力体験ルーム。
「無重力って、なんだろう?」
ヒヨコくんが首をかしげます。
「なんだか、体が軽くなるらしいぴよ」
ぴもんくんが、フィッシュアーモンドをポリポリ食べながら答えました。
「じゃあ、羽を広げたら、空を飛べるのかな?」
ひよたくんも興味津々です。
三兄弟は、ドキドキしながら無重力体験ルームに入りました。
スタッフさんの説明を聞いて、いよいよ体験スタート!
ぐいーん……。
体がふわっと浮きました。
「わああああっ!!」
ヒヨコくんの足が、床から離れます。
てちてち歩こうとしても――
てちっ。
てちっ。
……進みません。
「お、おかしいピヨ! 足が地面につかないピヨ!」
ヒヨコくんは、手足をぱたぱた。
そのまま、ふわふわと空中を漂います。
「ヒヨコくん、泳いでるみたいぴよ!」
ぴもんくんが笑います。
ところが次の瞬間。
ぴもんくんも、ふわっ。
「ぴよーーー!」
フィッシュアーモンドの袋を抱えたまま、宙に浮いてしまいました。
「おやつが……おやつが空を飛んでるぴよ!」
袋から一粒だけ、ぽんっ。
フィッシュアーモンドが目の前をゆっくり漂います。
ぴもんくんは必死に追いかけます。
「待つぴよーーー!」
でも、手を伸ばすたびに体も一緒に動いてしまいます。
「あれ? あれれ? つかめないぴよ!」
それを見て、ひよたくんは大笑い。
「ぴもんくん、おやつに逃げられてるピヨ!」
「笑ってないで助けてほしいぴよー!」
そのとき、ひよたくんもふわっと浮かびました。
「うわっ!」
三兄弟は、みんな空中へ。
赤いスカーフをひらひらさせるヒヨコくん。
フィッシュアーモンドを追いかけるぴもんくん。
ピンクの水玉スタイをつけたひよたくん。
三羽がくるくる回りながら、ふわふわ漂います。
「ボク、すごいこと思いついたピヨ!」
ヒヨコくんが叫びました。
「無重力なら……」
ヒヨコくんは、ぴょんっと体を丸めました。
「空中で、でんぐり返しできるピヨ!」
くるんっ。
一回転。
「おおー!」
ひよたくんも挑戦します。
くるんっ。
「できたピヨ!」
ぴもんくんも挑戦。
……くるん。
……くるん。
……くるん。
「ぴ、ぴよ……目が回ったぴよ……」
「やりすぎピヨ!」
三兄弟は、空中でぷかぷかしながら笑いました。
やがて体験が終わり、ゆっくり床に足がつきました。
てちっ。
ヒヨコくんは、足元を確かめます。
「……地面って、こんなにありがたいものだったピヨ?」
ぴもんくんも、ほっとした顔でフィッシュアーモンドをポリポリ。
「やっぱり、おやつは地面の上で食べるのが一番ぴよ」
ひよたくんは、ふふっと笑いました。
「でも、たまにはふわふわ浮くのも楽しかったピヨ!」
三兄弟は顔を見合わせます。
「またやりたいピヨ!」
「今度はおやつを落とさないようにするぴよ!」
「それは無理そうピヨ!」
三兄弟の笑い声が、無重力体験ルームに響きました。
ふわふわ浮かんだ、ちょっぴり不思議な午後。
三兄弟にとって、忘れられない一日になったのでした。
※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)
絵本のような、明るくかわいらしい雰囲気のイラストです。
宇宙船のような無重力体験室で、ヒヨコ三兄弟がふわふわと宙に浮いています。
左のヒヨコくんは赤いスカーフをなびかせ、両翼を広げて楽しそうに飛んでいます。中央のぴもんくんは青い魚のポーチを身につけ、フィッシュアーモンドの袋を持っています。右のひよたくんはピンクの水玉模様のよだれかけをつけ、嬉しそうに浮かんでいます。
周囲にはお菓子や透明なシャボン玉のような球体も浮かび、無重力の不思議な様子が描かれています。
上部には、「ヒヨコ三兄弟のふわふわ無重力体験ピヨ!」と書かれています。🐥🚀✨

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