[ひよこものがたり]第101話ヒヨコ三兄弟のふわふわ無重力体験ピヨ!

ある日の午後。

アニマルランドに、いつもとはちょっと違う体験ができる場所がやってきました。

それは――無重力体験ルーム。

「無重力って、なんだろう?」

ヒヨコくんが首をかしげます。

「なんだか、体が軽くなるらしいぴよ」

ぴもんくんが、フィッシュアーモンドをポリポリ食べながら答えました。

「じゃあ、羽を広げたら、空を飛べるのかな?」

ひよたくんも興味津々です。

三兄弟は、ドキドキしながら無重力体験ルームに入りました。

スタッフさんの説明を聞いて、いよいよ体験スタート!

ぐいーん……。

体がふわっと浮きました。

「わああああっ!!」

ヒヨコくんの足が、床から離れます。

てちてち歩こうとしても――

てちっ。

てちっ。

……進みません。

「お、おかしいピヨ! 足が地面につかないピヨ!」

ヒヨコくんは、手足をぱたぱた。

そのまま、ふわふわと空中を漂います。

「ヒヨコくん、泳いでるみたいぴよ!」

ぴもんくんが笑います。

ところが次の瞬間。

ぴもんくんも、ふわっ。

「ぴよーーー!」

フィッシュアーモンドの袋を抱えたまま、宙に浮いてしまいました。

「おやつが……おやつが空を飛んでるぴよ!」

袋から一粒だけ、ぽんっ。

フィッシュアーモンドが目の前をゆっくり漂います。

ぴもんくんは必死に追いかけます。

「待つぴよーーー!」

でも、手を伸ばすたびに体も一緒に動いてしまいます。

「あれ? あれれ? つかめないぴよ!」

それを見て、ひよたくんは大笑い。

「ぴもんくん、おやつに逃げられてるピヨ!」

「笑ってないで助けてほしいぴよー!」

そのとき、ひよたくんもふわっと浮かびました。

「うわっ!」

三兄弟は、みんな空中へ。

赤いスカーフをひらひらさせるヒヨコくん。

フィッシュアーモンドを追いかけるぴもんくん。

ピンクの水玉スタイをつけたひよたくん。

三羽がくるくる回りながら、ふわふわ漂います。

「ボク、すごいこと思いついたピヨ!」

ヒヨコくんが叫びました。

「無重力なら……」

ヒヨコくんは、ぴょんっと体を丸めました。

「空中で、でんぐり返しできるピヨ!」

くるんっ。

一回転。

「おおー!」

ひよたくんも挑戦します。

くるんっ。

「できたピヨ!」

ぴもんくんも挑戦。

……くるん。

……くるん。

……くるん。

「ぴ、ぴよ……目が回ったぴよ……」

「やりすぎピヨ!」

三兄弟は、空中でぷかぷかしながら笑いました。

やがて体験が終わり、ゆっくり床に足がつきました。

てちっ。

ヒヨコくんは、足元を確かめます。

「……地面って、こんなにありがたいものだったピヨ?」

ぴもんくんも、ほっとした顔でフィッシュアーモンドをポリポリ。

「やっぱり、おやつは地面の上で食べるのが一番ぴよ」

ひよたくんは、ふふっと笑いました。

「でも、たまにはふわふわ浮くのも楽しかったピヨ!」

三兄弟は顔を見合わせます。

「またやりたいピヨ!」

「今度はおやつを落とさないようにするぴよ!」

「それは無理そうピヨ!」

三兄弟の笑い声が、無重力体験ルームに響きました。

ふわふわ浮かんだ、ちょっぴり不思議な午後。

三兄弟にとって、忘れられない一日になったのでした。


※アイキャッチの説明(視覚障害者用代替テキスト)

絵本のような、明るくかわいらしい雰囲気のイラストです。

宇宙船のような無重力体験室で、ヒヨコ三兄弟がふわふわと宙に浮いています。

左のヒヨコくんは赤いスカーフをなびかせ、両翼を広げて楽しそうに飛んでいます。中央のぴもんくんは青い魚のポーチを身につけ、フィッシュアーモンドの袋を持っています。右のひよたくんはピンクの水玉模様のよだれかけをつけ、嬉しそうに浮かんでいます。

周囲にはお菓子や透明なシャボン玉のような球体も浮かび、無重力の不思議な様子が描かれています。

上部には、「ヒヨコ三兄弟のふわふわ無重力体験ピヨ!」と書かれています。🐥🚀✨

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