アニマルランドにある大きな広場では、年に一度のビッグイベント――ヒヨコ三輪車グランプリが始まろうとしていました!
今日はなんと、ヒヨコ三兄弟とピヨちゃんも参戦!
広場には、ピカピカに磨かれた三輪車に乗ったたくさんのヒヨコたちが、ぞろぞろと集まっています。
「ボクの必殺ドリフトで、ぜんぶぶっちぎるピヨ!」といつものように自信満々のヒヨコくん。
「そ、そんなにスピード出したら転んじゃうピヨ…安全第一ピヨ…」とヒヨコくんの事を心配するしっかりもののひよたくん。
「ボクの三輪車、サドルにクッションつけてあるピヨ。おしりにやさしいピヨ〜♪」と今日もほんわかマイペースなぴもんくん。
そして、「……ふわぁー。あと5分だけ寝てていいピヨ?」と早くも寝てしまいそうなピヨちゃん。

観客のすーさんは麦ジュース片手に「みんながんばるぞう!」「ぴもんくーん!おやつはゴールの後だぞう!」とご機嫌。
そして戦いの火ぶたが切って落とされました!!
「ピッピッピーーーッ!!!」
一斉にスタートの笛が鳴り、たくさんのヒヨコたちが一気に三輪車のペダルをこぎ出します!
ヒヨコくん「うおおお〜〜〜!いけぇぇ!ゴールドターボ三輪車ー!!」
ひよたくん「ふぅ、カーブはふくらまないように…ブレーキよし、ピヨ!」
ぴもんくん「賞品はフィッシュアーモンドピヨかな?……じゅるり…」
ピヨちゃん(半目で)「………ちゃんとこいでるピヨぉ~。」
先頭はヒヨコくん、後ろにひよたくん、ぴもんくんは途中でおやつのにおいにフラフラ…。
ピヨちゃんはマイペースに、草のにおいをかぎながら進みます。
観客のすーさんは「ピヨちゃん!起きるぞう!目と口が半開きだぞう~!」と声援を送ります。
すると、コースにハプニング発生!
ぴもんくん「わっ!コースにおにぎり落ちてるピヨ!?待ってぴよぉ~~~!!」
ひよたくん「それは食べちゃダメピヨ!ぴもんくん、戻ってピヨ〜!」
なんと、スタッフのお弁当のおにぎりがコースにころころころりんすっこんこん!
お腹を空かせたぴもんくんは思わずそれを追いかけ、ひよたくんは兄のひろい食いをやめさせるためについていきます。

これをチャンスだと見たヒヨコ君は勝負をかけに行きます!
「チャンスピヨ!みんなモタモタしてる間に……ドリフトターーーン!ピヨ!!」
しかし、(キキーッ!!ドシャッ)
「……ボク、花壇に突っ込んだピヨ……」
大きく勝負に出すぎたあまり、ハンドル操作を誤ってしまいました。
花壇の中のモグラさんも目を白黒させて驚いています。

トップを走っていたヒヨコくんが体勢を立て直している間に、ぴもんくんのひろい食いをやめさせたひよたくんが先頭に躍り出ます!
そしてラストの直線に差し掛かりました!
でもそこに……
「ふぁ〜〜…そろそろ本気出すピヨか……」とピヨちゃんがキコキコキコキコッ!とラストスパートをかけてきました!!
ひよたくん「えっ!?ピヨちゃん、はやいピヨ!!」
ヒヨコくん「な、なんでそんな急に速くなるピヨ!?」
ぴもんくん「ゴールの先に……カフェののぼりがあるピヨ!ピヨちゃんの大好物ピヨ!」
なんと、ピヨちゃんはゴールの先にある自家焙煎珈琲の看板めがけて一心不乱にペダルをこいでいたのです!
「……早くコーヒーが飲みたいピヨ!」
ぴもんくん、ヒヨコくん、ひよたくんを軽々と抜き去り……
ゴーーール!!!

司会「優勝は〜〜〜ピヨちゃん!!驚きの追い上げで見事1位を獲得しました!」
ヒヨコくん「悔しいピヨー!来年はジェットエンジンつけるピヨ!」
ひよたくん「安全運転が一番ピヨ…。でも楽しかったピヨ!」
ぴもんくん「参加賞のクッキー、もう一枚ほしいピヨ〜〜」
ピヨちゃん「……コーヒーもらえるなら、また出るピヨ」
こうして、アニマルランドのヒヨコたちは笑顔でいっぱいの一日を過ごしたのでした。
おしまい!
タイトルのイラストの説明。
中央に三輪車に乗った3羽のかわいいヒヨコ三兄弟が並んで走っていて、左から赤い三輪車、青い三輪車、緑の三輪車に乗っています。背景にはたくさんのひよこたちが応援しているように描かれています。上部には大きな文字で「爆走!ヒヨコミ三輪車グランプリ」と書かれており、その下に「チャンピオンはだれピヨ!?」と書かれています。
