[ひよこものがたり]言葉の贈り物編第7話「やさしさの道しるべ」

あれこれ

ある日のこと。ヒヨコ三兄弟は、村のお祭りに出かけることになりました。

「ボクたちの屋台も出そうピヨ!コイン投げゲームだピヨ!」とヒヨコくんが提案しました。

「いいねピヨ~!フィッシュアーモンドを景品にしたら大人気だピヨ!」とぴもんくん。

「でも…コインの数やルールをきちんと決めないと、公平じゃないピヨ」とひよたくんが言いました。

三兄弟は相談しながら、ルールをバッチリ作りました。

──ところが当日。近所のちっちゃなピヨちゃんがやってきて、泣きそうな顔で言いました。

「わたし、コインを落としちゃって持ってないピヨ…でも遊びたいピヨ…」

ひよたくんは腕を組んで考えました。

「ルールでは、コインがなきゃ遊べないピヨ。それが公平だから…」

ヒヨコくんも真面目に頷きました。

でも、その時ぴもんくんがやさしく言いました。

「ルールは大事だけど、ピヨちゃんが泣いてたら楽しいお祭りにならないピヨ。景品は特別にちっちゃいのにして、一回遊ばせてあげるピヨ!」

ピヨちゃんはぱぁっと笑顔になり、「ありがとうピヨ!」と嬉しそうにゲームを楽しみました。

その姿を見て、ヒヨコくんとひよたくんも胸があったかくなりました。

「正しいだけじゃなくて、やさしさも大事なんだピヨ」

「情けがあるからこそ、道がひらけるんだねピヨ」

三兄弟はそう実感しながら、お祭りをもっと盛り上げていきました。

ことばのおくりもの

理屈で人を納得させられないときも、心を思いやるやさしさが道をつくる。

情けは時に、理よりも強い力になるのです。

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