認知の歪みシリーズ⑫:「すべき思考」について

考え方

読者の皆さんこんにちは。

自分自身や他人との関わりの中で、私たちは時折、特定の行動について「すべきだ」「あるべきだ」と考えることがあります。

皆さんも自分に対して過度に「すべきだ!」とか、他人に対して「こうあるべきだ!」と思ってしまうことがありませんか?

このような思考パターンは、認知の歪みの一つである「すべき思考」に関連しており、他人に対する期待や自己評価に悪影響を及ぼす可能性があることがあります。

この記事では、すべき思考について探っていき、感情にどのような影響を与えるのかを解説していきます。

すべき思考とは何か?

すべき思考は、自己評価や他人に対する期待を高めるために自然に浮かぶ思考パターンの一つです。

これは、他人や自分自身に対して、特定の行動や方法が「正しい」と信じることを指します。

具体的な例を挙げてみましょう。

ある人が「他人に配慮することは当然であり、周囲には親切にするべきだ」と考えた場合、他人が期待する親切な行動を自分自身が行えなかった時、自己評価の低下や焦燥感が生じることがあります。

また、他人の配慮に欠けた言動を見聞きしたときに、「配慮すべきなのにそれができないなんてひどい人だ!」と相手に対して不満や怒りなどの感情を抱くこともあります。

日常に潜むすべき思考の例

分かりにくいかもしれないので具体例をいくつか示していきます。

・健康の事が気になるなら、「毎日運動すべきだ。」「ジャンクフードを避けるべきだ。」

・仕事で認められたければ、「毎日残業すべきだ。」「特定の資格を取るべきだ。」

・良い就職先を見つけたいなら、「大学に進学すべきだ。」「優秀な成績を取るべきだ。」

・家庭では、「親は子供を毎朝起こすべきだ」「家族は毎日一緒に食事をとるべきだ。」

・社会では、「他人の期待には応えるべきだ。」「社会的な貢献をすべきだ。」

どうですか?この「すべきだ」という信念を自分自身に課した時、あるいは他人に強いてしまった時、それぞれ心にどのような影響が出るか想像してみてください。

私は窮屈になってストレスが溜まってしまいます。

「すべき思考」の感情的影響

それでは、「すべき思考」が私たちの感情にどのような影響を及ぼすのか見ていきましょう。

1. 自己評価の低下

「すべき思考」は、自分自身に対する要求を過度に高めることがあります。

自分自身への過度な期待は、自分自身へのプレッシャーとなり、不安や焦躁感を生じます。

また、過度な要求にこたえられない自分自身への怒りや否定的な感情を生じさせる可能性もあります。

2. 他人との対立

「すべき思考」がいき過ぎると、他人との間で対立が生じることがあります。

他人に対して自分の価値観や期待を押し付けることは、関係を悪化させる原因となります。

あなたも、他人からその人の価値観や信念を押し付けられてうんざりした経験はありませんか?

また、他人が自分の期待に応えない場合、不満や対立が生じ、関係が悪化してしまうことがあります。

すべき思考からの解放

すべき思考から抜け出すために、以下の事を実践してみてください。

1. 自己認識の向上

自分の本当の価値観を知り、何が自分に合っているのかを理解しましょう。

その「すべき」という考えは本当にあなた自身の物ですか?

2. 自己受容

完璧ではないことや他人と違うことを受け入れましょう。

自分自身に対する厳しい期待を和らげて自己評価を高めましょう。

3. 共感と理解

他人の立場や感情を理解し、共感することは、良い人間関係を築く鍵です。

相手の視点を尊重し、相手の感情を尊重しましょう。

4. 他人に自分の価値観を押し付けない

他人に「すべきだ。」「あるべきだ」という考えを押し付けていないかセルフチェックしてみましょう。

他人に対する厳しい期待を和らげて他者には寛大でありましょう。

5. 適切な境界を設定する

他人に対しては適切な境界を持ち、自他を尊重しましょう。

まとめ

この記事では、「すべき思考」という認知の歪みについて探求してみました。

「すべき思考」は、自己評価や他人との関係に悪影響を及ぼす可能性がある思考パターンであり、特定の行動や方法に対して「正しい」と信じることを指します。

この思考パターンが感情に与える影響について、まず、自己評価の低下が挙げられます。

自分自身への過度な要求は、不安や焦燥感を生じ、自己評価を低下させる可能性があります。

また、他人との関係においても問題を引き起こすことがあります。

他人に対して自分の価値観や期待を押し付けることは、対立を生み出し、関係を悪化させる原因となります。

「すべき思考」から解放される方法も紹介しました。

自己認識を向上させ、自分自身の本当の価値観を理解すること、自己受容と完璧主義からの解放、共感と理解、他人に自分の価値観を押し付けないこと、適切な境界を設定することなどが、すべき思考から抜け出すための手助けとなります。

重要なのは、個々の状況や価値観に合わせて、これらの「すべき」に関する考え方を柔軟に調整できることです。

自己評価や幸福感を高めるために、適切なバランスを見つけることが大切です。

最終的に、すべき思考を克服することは、より健全な自己評価を築き、他人との関係を改善し、より幸福な生活を送るための重要なステップとなります。

自分自身を受け入れ、他人を尊重し、より柔軟な思考を持ち、豊かな人生を築いていきましょう。

今回も読んでいただきありがとうございました!

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