ある日、ヒヨコ三兄弟はおこづかいをもらいました。
ヒヨコくんは500円玉を手にして「わーい! これはボクの宝物ピヨ!」と目をきらきらさせました。
ぴもんくんはフィッシュアーモンドを思い浮かべて「これで山ほど食べられるピヨ…!」とよだれを垂らし、
ひよたくんは「せっかくだから、大事にしまっておこうピヨ」と、机の引き出しにしまいました。
三兄弟はそれぞれ違う気持ちでお金を持っていたのです。
その日の午後、村では小さな縁日が開かれていました。
リンゴあめやお面、そして大きな紙芝居が並び、子どもたちの声でにぎやか。
ヒヨコくんは思い切って、500円玉を紙芝居のチケットに使いました。
「うわぁ! ドキドキするお話だピヨ!」と、夢中で見ていると、心がワクワクでいっぱいになりました。
ぴもんくんは、やっぱり大きな袋のフィッシュアーモンドを買いました。
「ん~! 最高ピヨ!」と、おなかも心も満たされてご満悦。
一方、ひよたくんはお金を引き出しにしまったまま。
「大事に持っていれば安心だピヨ」と思っていたけれど、みんなの楽しそうな姿を見て、なんだか胸がちくりとしました。
家に帰る途中、ひよたくんは気づきました。
「ボクはお金を持ってるだけで、まだ何も楽しんでないピヨ…。使うからこそ、その価値が生きるんだピヨね」
次の日、ひよたくんはおこづかいで絵本を買いました。
ページをめくるたびに心がふくらんで、「買ってよかったピヨ!」と笑顔になりました。
こうして三兄弟は、お金は持つだけでなく、どう使うかで輝くものだと知ったのです。
ことばのおくりもの
お金は大切に持つだけではなく、心を豊かにするために使うとき、真の価値を放ちます。自分にとってどう使えば人生が輝くのか、よく考えて使ってみよう。
