[ひよこものがたり]言葉の贈り物編第9話「お金のひみつ」

ひよこものがたり

ある日、ヒヨコ三兄弟はおこづかいをもらいました。

ヒヨコくんは500円玉を手にして「わーい! これはボクの宝物ピヨ!」と目をきらきらさせました。

ぴもんくんはフィッシュアーモンドを思い浮かべて「これで山ほど食べられるピヨ…!」とよだれを垂らし、

ひよたくんは「せっかくだから、大事にしまっておこうピヨ」と、机の引き出しにしまいました。

三兄弟はそれぞれ違う気持ちでお金を持っていたのです。

その日の午後、村では小さな縁日が開かれていました。

リンゴあめやお面、そして大きな紙芝居が並び、子どもたちの声でにぎやか。

ヒヨコくんは思い切って、500円玉を紙芝居のチケットに使いました。

「うわぁ! ドキドキするお話だピヨ!」と、夢中で見ていると、心がワクワクでいっぱいになりました。

ぴもんくんは、やっぱり大きな袋のフィッシュアーモンドを買いました。

「ん~! 最高ピヨ!」と、おなかも心も満たされてご満悦。

一方、ひよたくんはお金を引き出しにしまったまま。

「大事に持っていれば安心だピヨ」と思っていたけれど、みんなの楽しそうな姿を見て、なんだか胸がちくりとしました。

家に帰る途中、ひよたくんは気づきました。

「ボクはお金を持ってるだけで、まだ何も楽しんでないピヨ…。使うからこそ、その価値が生きるんだピヨね」

次の日、ひよたくんはおこづかいで絵本を買いました。

ページをめくるたびに心がふくらんで、「買ってよかったピヨ!」と笑顔になりました。

こうして三兄弟は、お金は持つだけでなく、どう使うかで輝くものだと知ったのです。

ことばのおくりもの

お金は大切に持つだけではなく、心を豊かにするために使うとき、真の価値を放ちます。自分にとってどう使えば人生が輝くのか、よく考えて使ってみよう。

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