FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
あなたは世界の現状をどれくらい正確に把握できていますか?
毎日のように流れてくるニュースを見ていると、世界はどんどん悪い方向に向かい、未来は閉ざされているのではないか?と考えてしまうのではないでしょうか?
皆さんが感じる「世界はどんどん悪くなっている」「貧困は増える一方」といったことは実は思い込みで、データに基づくと「世界はそれほど悪くないのかもしれません。
ハンス・ロスリングのベストセラー『ファクトフルネス』は、私たちの思い込みを覆し、データに基づく「事実」で世界を見る方法を教えてくれる一冊です。
この記事では、この本の核となる「10の思い込み本能」と、それを日常生活で活かす方法をご紹介していきます!
それでは、事実に基づいて世界を認知することの重要性を見ていきましょう!
『ファクトフルネス』とは?
『ファクトフルネス』は、統計学者ハンス・ロスリングとその息子オーラ、妻アンナが共著した本で、データを使って世界の真実を明らかにしていきます。
この本では、私たちが世界を悪い方に誤解してしまう原因として、10の「思い込み本能」を挙げ、それぞれを克服する方法を提案しています。
豊富なデータで、読者に「事実に基づく思考」を促してくれます。
10の思い込み本能と日常への活かし方
ハンスは、私たちが世界を誤解する原因を10の本能にまとめました。
これらを理解し、日常で意識することで、仕事、学校、プライベート、SNSとの付き合い方が変わるでしょう。
以下に、10の本能とその実践方法を紹介していきます。
分断本能(世界を「二つ」に分ける)
特徴:世界を「先進国と途上国」「良いと悪い」など二極化して考える。
例:世界を「先進国」と「途上国」に分けて考えることがありますが、実際には多くの国がその中間に位置しています。
影響:このような見方は、複雑な現実を単純化しすぎることがあり、誤解や偏見を生む原因となることがあります。
日常への活かし方:
– グラデーションを意識: 物事を白黒で分けず、段階的に考える。例えば、ニュースで「貧困」と聞いても、全員が飢えているわけではなく、中間層が増えている国もあることを理解する。
– 職場で活用: チームメンバーを「できる/できない」で分けず、個々の強みを見つける。
ネガティブ本能(悪いことばかり目につく)
特徴:悪いニュースばかりに目が行き、良い変化を見逃す。
例:「戦争や災害ばかりで世界は悪化している」と感じる。
影響:このようなネガティブ本能は、良い変化やポジティブな出来事を見逃す原因となることがあります。悪い事ばかり見ていると考え方もネガティブに偏ってきます。
日常への活かし方:
– 良いニュースを探す: ポジティブなデータも意識的にチェックする。例えば、「子どもの死亡率が過去最低に」など。
– 子育てに応用: 子どもの悪い行動ばかり指摘せず、小さな成長を褒める。
直線本能(すべてが直線的に進むと思う)
特徴:人口や経済が「ずっと増える」と考える。
例:「このまま人口が増えたら地球がパンクする」と心配する。
影響:このような直線本能は、物事が常に一定のペースで進むと誤解する原因となり、現実の複雑さを見逃すことがあります。
日常への活かし方:
– 曲線を想像: データはS字カーブやピークを迎えることが多い。長期的な変化を予測するときは、単純な直線でなく曲線を意識する。
– 仕事で活用: 売上が伸びているときも「ずっと続く」と盲信せず、市場の変動を予測する。
恐怖本能(危険を過大評価する)
特徴:まれなリスク(テロ、飛行機事故など)を恐れすぎる。
例:「海外旅行は危険」と避ける。
影響:このような恐怖本能は、まれなリスクを過大評価し、日常生活や行動に影響を与えることがあります。
日常への活かし方:
– リスクを数字で評価: 例えば、交通事故死の確率に対し、テロによる死はごくわずかであることを知る。
– 旅行や新しい挑戦: データでリスクを冷静に判断する。
過大視本能(目の前の数字を大きく見る)
特徴:大きな数字や衝撃的な話に影響されすぎる。
例:「1億ドルの援助」と聞くと「すごい額!」と思うが、全体の予算比では小さい場合もある。
影響:このような過大視本能は、目の前の数字にとらわれて全体の文脈を見失う原因となることがあります。
日常への活かし方:
– 割合で考える: ニュースで「〇〇億円の赤字」と聞いても、それが全体の何%か考える癖をつける。
– 家計でも: 「1万円の節約」を過大評価せず、年間収支での影響を見る。
パターン化本能(ステレオタイプに頼る)
特徴:特定のグループを一括りにする。
例:「アフリカは貧しい」と決めつけるが、国それぞれ状況は異なる。
影響:このようなパターン化本能は、特定のグループを一括りにしてしまい、個々の違いや多様性を見逃す原因となることがあります。
日常への活かし方:
– 個別に見る: 人や国を「〇〇らしい」で判断せず、具体的なデータや話を聞く。
– 人間関係で活用: 職場や学校で「〇〇さんはこういう性格」と決めつけず、行動を観察して柔軟に対応する。
運命本能(変わらないと思う)
特徴:文化や国は「永遠に同じ」と思い込む。
例:「あの国は遅れているから変わらない」と考える。
影響:このような運命本能は、変化の可能性を見逃し、現実の動きを正しく理解する妨げとなることがあります。
日常への活かし方:
– 変化を信じる: 日本も50年前は今と全く違う社会だった。データを見ると、変化は起こりうる。
– 自己成長に活用: 過去の失敗で「自分はダメ」と決めつけず、成長の余地を信じて挑戦する。
単純化本能(単一の原因を求める)
特徴:複雑な問題を一つの原因に押し込める。
例:「貧困は教育不足のせい」と単純化。
影響:このような単純化本能は、複雑な問題を一つの原因に押し込めてしまい、全体像を見失う原因となることがあります。
日常への活かし方:
– 多角的に考える: 問題を「誰かの怠慢」と決めつけず、複数要因を検討する。
– ニュースで活用: 複数の視点を調べる。
犯人探し本能(誰かを責める)
特徴:問題が起きると「誰のせい?」と犯人を探す。
例:「経済が悪いのはすべて政府のせい」と考える。
影響:このような犯人探し本能は、問題の本質を見逃し、解決策を見つける妨げとなることがあります。
日常への活かし方:
– システムに注目: 個人を責める前に、仕組みや環境を考える。
– 家庭で活用: 家族間の衝突で「あなたが悪い」と責めず、話し合いで原因を共有し、解決策を模索する。
焦り本能(今すぐ行動しないと!と焦る)
特徴:緊急性を感じ、深く考えず行動する。
例:「今すぐ投資しないと損!」と煽られる。
影響:このような焦り本能は、緊急性を感じて深く考えずに行動してしまう原因となり、後悔する結果を招くことがあります。
日常への活かし方:
– 一呼吸おく: 大きな決断前に、データや代替案を検討する。
– SNSで活用: 「今すぐ署名を!」という投稿に飛びつく前に、背景や信頼性を確認する。
なぜ『ファクトフルネス』を読むべきか?
この本は、単なるデータ解説書ではありません。
世界を正しく見る「思考の道具」を提供し、人生のあらゆる場面で役立ちます。
- 仕事:データに基づく意思決定で、感情や偏見に流されない。
- 子育て:子どもに「事実を見抜く力」を伝え、フェイクニュースに強い子に。
- 人間関係:ステレオタイプを減らし、相手を深く理解する。
- メンタルヘルス:ネガティブニュースに振り回されず、希望を持てる。
さらに、ハンスの実体験である医者として途上国でのエピソードも感動的で、データに魂を吹き込みます。
日常で「ファクトフルネス」を実践する3つのコツ
- データに触れる習慣:信頼できる情報源をブックマークし、ニュースの裏を取る。
- 思い込みを疑う:「本当かな?」と自問し、反対の可能性を考える。
- 小さな実践から:例えば、1日1回「良いニュース」を探すことから始めてみる。
まとめ
『ファクトフルネス』は、10の本能を通じて、私たちが世界を誤解する理由を明らかにし、それを克服する方法を教えてくれます。
これらの本能を意識するだけで、ニュースの見方、仕事の判断、人間関係が驚くほど変わります。
データに基づく思考は、混沌とした現代で「冷静さ」を保つ武器です。
ぜひ本書を手に取り、日常に「ファクトフルネス」を取り入れてみてください!
それでは今日はここまで!
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