皆さん、突然ですが「ぼーっとする」 ってどんな時ですか?
何も考えずにいる時、シャワーを浴びている時、通勤の電車の中で…
意外や意外、脳は何もしていないように思えて、実は活発に活動しているんです。
その活動の中心となっているのが、デフォルトモードネットワーク(DMN)と呼ばれる脳内のネットワークです。
今回は、このDMNについて、4つのポイントを中心に詳しく解説していきます。
point1. DMNとは何か?
DMNとは、「デフォルト・モード・ネットワーク」の略称で、脳が何もしていない状態、つまり「ぼーっとする」時に活発に活動する脳内のネットワークです。
まるで車のアイドリング状態のように、何もしていないように見えても、実は脳は活発に活動しているんです。
このDMNは脳全体の約80%を占めるとされ、前頭前野、後帯状皮質、楔前部、下頭頂小葉などの部位で構成されています。
それぞれの部位がどんなことをしているのか細かいところまで気になる方は以下をご覧ください。
- 前頭前野: 思考、計画、判断などの高次機能に関わる
- 後帯状皮質: 記憶、自己認識、内省に関わる
- 楔前部: 感覚、感情に関わる
- 下頭頂小葉: 空間認識、運動に関わる
point2. DMNの役割
DMNは、主に以下の4つの役割を担っていると考えられています。
- 自己内省:自分自身の考えや感情を振り返る
- 記憶の整理:過去の記憶を整理し、長期記憶に定着させる
- 創造性:新しいアイデアを生み出す
- 共感:他人の気持ちや行動を理解する
これらが連携し、過去の記憶や経験を思い出し、未来を想像したり、自分自身について考えたりといった、内省や創造性に関わる活動をしています。
point3. DMNと私たちの生活
DMNは、私たちの日常生活に密接に関わっています。
例えば、シャワー中にふとアイデアが浮かぶ、ぼーっとしながら過去の思い出が蘇る、他人の気持ちに共感できるといった経験は、DMNの働きによるものです。
しかし、DMNの活動が過剰になると、以下のような問題が生じることもあります。
集中力の低下
DMNが過剰に活性化すると、目の前のことに集中することが難しくなります。頭の中を様々な思考が駆け巡り、集中すべき事に意識を向けることが妨げられてしまいます。
不安や心配
DMNは、過去のネガティブな記憶や経験を思い起こさせる働きもあります。そのため、DMNが過剰に活性化していると、不安や心配などのネガティブな感情に囚われやすくなってしまいます。
うつ状態
慢性的な不安や心配は、うつ状態につながる可能性があります。DMNの過剰な活性化は、うつ状態の発症リスクを高める要因の一つと考えられています。
反芻思考
過去の後悔や失敗ばかり考えてしまう反芻思考も、DMNの過剰な活性化によって引き起こされます。反芻思考は、気分の落ち込みや不安を引き起こし、日常生活に支障をきたす可能性があります。
マインドワンダリングの悪循環
マインドワンダリングとは、注意が目の前のタスクから逸れて、別の思考にさまよってしまうことです。適度なマインドワンダリングは創造性を高める効果がありますが、過剰になると集中力の低下や不安につながります。
以上の事から、DMNは脳にとって重要な機能である反面、その活動が行き過ぎるとデメリットを生じさせてしまうことが分かります。
point4. DMNのコントロール
以下は、DMNの活動を適正に保つための方法です。
マインドフルネス
マインドフルネスは、今この瞬間に意識を集中させることで、DMNの活動をコントロールする方法です。
気が散って集中できない、ネガティブなことばかり頭に浮かんでしまう。そんな時瞑想してみると、頭がすっきりして、心が軽くなることが実感できます。
心の静寂に触れる。マインドフルネス瞑想の効果。
適度な運動
運動による脳血流のゾウかは、DMNの活動を抑制し、ポジティブな気分や認知機能の改善に効果があります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
それに、運動中はぼーっとしていろんな考えが頭をめぐるような余裕がありませんよね。
質の高い睡眠
睡眠不足は、DMNの活動を過剰に活性化させてしまいます。十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとるようにしましょう。
生活習慣の改善
カフェインやアルコールの過剰摂取は、DMNの活動を刺激してしまうので控えましょう。また、規則正しい生活習慣を心がけることも大切です。
このように、DMNは私たちの脳にとって重要な機能ですが、その活動をコントロールすることが重要であることがわかります。
今回紹介した方法を参考に、自分自身に合った方法を見つけて、DMNと上手に付き合っていきましょう。
まとめ
DMNは、私たちが「ぼーっとする」時に活発に活動する脳内のネットワークです。
自己内省、記憶の整理、創造性、共感など、様々な役割を担っており、私たちの日常生活に密接に関わっています。
一方で、DMNが過剰になると集中力の低下や不安、うつ状態、反芻思考などの問題が生じることがあります。
これらのデメリットを避けるためには、DMNの活動を適正に保つことが重要です。
マインドフルネスや適度な運動、質の高い睡眠、生活習慣の改善などを通じて、DMNをコントロールすることができます。
DMNの働きについて理解を深め、そのコントロール方法を実践することで、より健全なメンタルを維持する事ができます。
皆さんもぜひ、ぜひ今回紹介した方法を取り入れて、日常生活に役立ててくださいね。
DMNと上手に付き合うことで、より充実した日々を過ごせることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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