野菜ファーストから脂質ファーストへ!食事の一口目は野菜ではなく脂質を摂る! 新しい食事戦略とは?

美容・ヘルスケア

食事の最初に野菜を食べると血糖値の急上昇を抑えられる、というのは広く知られた話ですよね。

本ブログを読んでいる健康意識の高い読者の皆さんなら、きっと「野菜から食べているよ!」と答えてくれるのではないでしょうか?

しかし最近、「食事の最初に摂るべきは野菜ではなく脂質が良い」という説を耳にすることが増えました。

これは一体どういうことなのでしょうか?

今回の記事では、この脂質ファースト説に真相に迫ってみようと思います!

血糖値の急上昇、「血糖値スパイク」って何?

「野菜が先」か「脂質が先」かを論じる前に、まずは血糖値スパイクについて復習してもらおうかと思います。

私たちがご飯やパン、麺類などの炭水化物を食べると、体の中でブドウ糖に変わり、血液中に吸収されていきます。

これが「血糖値が上がる」ということです。

食後に血糖値が急激に上がると、私たちの体は「インスリン」というホルモンをたくさん出して、血糖値を下げようとします。

この急激な血糖値の上昇と、それに続く急降下のことを「血糖値スパイク」と呼びます。

血糖値スパイクが繰り返されると、体に負担がかかり、将来的に糖尿病のリスクを高めたり、肥満につながったりすると言われています。

なぜ「野菜ファースト」だけでは不十分な場合があるの?

私たちはこれまで「野菜を最初に食べましょう」とよく言われてきました。

それは、野菜に含まれる食物繊維が、その後に食べる炭水化物の消化吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑えると考えられてきたからです。

しかし、最近の研究では、野菜を最初に食べても、その後に続く炭水化物の種類や量によっては、思ったほど血糖値の上昇を抑えられないケースがあることがわかってきています。

例えば、精製された炭水化物(白いご飯、白いパン、うどんなど)は、食物繊維が少なく消化吸収が非常に速いため、野菜を最初に食べても血糖値が急激に上がりやすい傾向があります。

一度に食べる炭水化物の量が多すぎる場合も、食物繊維だけでは追いつかず、血糖値スパイクが起こりやすくなります。

つまり、「野菜ファースト」は有効な手段の一つではありますが、完璧ではない、ということです。

特に血糖値の管理が気になる方や、食後の眠気やだるさを感じやすい方は、次の「脂質ファースト」という考え方も知っておくと良いでしょう。

血糖値管理における脂質の「すごい」役割

脂質、と聞くと「太る」「体に悪い」というイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、実は良質な脂質は私たちの体にとって非常に大切な栄養素で、血糖値のコントロールにも良い影響を与えてくれます。

良質な脂質が血糖値上昇を抑えるメカニズム

良質な脂質を食事の最初に摂ることで、以下のようなメカニズムで血糖値の急上昇を穏やかにすると考えられています。

消化を「ゆっくり」にする:
脂質は、炭水化物やタンパク質に比べて、消化に時間がかかります。胃の中に脂質があると、次に食べ物が胃から腸へ送られるスピードがゆっくりになります。

胃からの排出を遅らせるホルモンを出す:
脂質が小腸に到達すると、「GLP-1(ジーエルピーワン)」や「GIP(ジーアイピー)」といったホルモンが分泌されます。

これらのホルモンには、胃の動きを穏やかにし、食べ物が胃から腸へ送られる時間をさらに遅らせる働きがあります。

糖の吸収を「穏やか」にする:
上記の消化がゆっくりになる働きによって、炭水化物が糖に分解され、血液中に吸収されるスピードも穏やかになります。

その結果として、血糖値スパイクが抑えられるのです。

このように、脂質は直接血糖値を上げるわけではなく、むしろ他の栄養素の吸収速度をコントロールすることで、血糖値の安定に貢献してくれるのです。

脂質を最初に摂るメリットとは?

では、具体的に食事の最初に脂質を摂ることでどのようなメリットが考えられるのでしょうか?

血糖値の安定化

前述の通り、脂質が消化を遅らせることで、その後に続く炭水化物の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

満腹感の向上

脂質は消化に時間がかかるため、腹持ちが良く、少量でも満腹感を得やすいという特徴があります。

これにより、食事全体の量を自然と抑えられ、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

インスリン分泌の抑制

血糖値が安定することで、インスリンの過剰な分泌を抑えられます。

インスリンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪を体にため込む働きもあるので、インスリンの分泌を抑えることは、体重管理にも役立つかもしれません。

どんな脂質を摂ればいいの?

食事の最初に摂る脂質としておすすめなのは、良質な脂質で、以下のような食材が挙げられます。

アボカド:
森のバターとも呼ばれるアボカドは、体に良い「不飽和脂肪酸」が豊富です。小さく切ってサラダに加えるだけでもOK。

ナッツ類(アーモンド、くるみなど):
豊富なオメガ3脂肪酸と食物繊維も豊富で、噛み応えもあり、間食にも最適です。

ただし、食べ過ぎはカロリーオーバーになるので注意しましょう。無塩のものがおすすめです。

オリーブオイル:
サラダにかける、スープに少し垂らすなど、手軽に取り入れられます。

加熱していないエクストラバージンオリーブオイルが良いと思います。

MCTオイル
ココナッツオイルなどに多く含まれる「中鎖脂肪酸」を効率よく摂れるオイルです。

素早くエネルギーになりやすく、血糖値に影響を与えにくいとされています。コーヒーやヨーグルトに混ぜて摂るのが一般的です。

※もちろん、フライドポテトや唐揚げ、加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)のような、体に良くない油(トランス脂肪酸や飽和脂肪酸が多いもの)を最初に摂ることは推奨されません。

あくまで「良質な脂質」を選ぶことが大切です。

注意点:バランスの取れた食事が大前提

食事の最初に脂質を摂るという戦略は、血糖値管理や満腹感の向上に役立つ可能性があります。

しかし、これはあくまで食事全体の一部であり、バランスの取れた食事が大前提であることは忘れてはいけません。

脂質を最初に摂ったからといって、その後に大量の糖質を摂ってしまっては意味がありません。

野菜やタンパク質、そして適量の炭水化物もバランス良く摂取し、全体として健康的な食生活を送ることが重要です。

いかがでしょう?皆さんもこの新しい食事戦略を試してみませんか?

食後の体の良い変化を感じてみてください。

それでは今日はここまで!

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